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アマゾン株の割安・割高論争に決着? 成長企業への投資はココを見ろ=東条雅彦

Amazonは創業以来、ずっと成長期が続いている

Amazon1994年にジェフ・ベゾスによって創業されたインターネット書店です。1997年にはNASDAQに上場しています。今では書籍だけではなく、様々な商品やサービスを取り扱っています。最近ではAWS(Amazon Web Services)というクラウドコンピューティングサービスがヒットして、「インターネット書店」というイメージが徐々になくなりつつあります。

Amazonは創業してから23年が経ちますが、企業のライフサイクルとしては「成長期の前半」ぐらいの立ち位置にいます。売上高が一直線に上昇しながらもまったく利益が上がっていません

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2012年と2014年には赤字に陥っています。まるで創業したばかりの企業のように見えます。

純利益率(純利益÷売上高)は2011年以降、2%を超えることはありません。純利益だけを見ていると、全然、儲かっていないのではないかと勘違いしそうになります。当然、純利益が少ないと、PER(株価÷1株あたり純利益)の値がものすごく跳ね上がってしまいます。

成長株に対してバリュー投資的な観点で評価すると、「AmazonはPERが180倍を超えているから危険である」という間違った結論になってしまうのです。

成長株を適切に評価するには?

成長期の前半では利益が出ていなくても、営業キャッシュフローは立ち上がっています。そのため、営業キャッシュフローの推移を確認することで、成長株に対しても適切な評価が下せるようになります。

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Amazonの売上高、営業CFは共に順調に伸びています。2013年以降の営業CFの前年伸び率は30%を超える水準です。営業CFはわずか8年で約10倍になっています。これはとても驚異的な伸び率です。売上高も10年で約10倍に増えています。

今、Amazon株を買って長期的にホールドしようとしている投資家は、間違いなく純利益ではなく売上高や営業CFの動きに注目しているはずです。

Next: 割安か割高か、PERだけでは判断できない。成長企業の株価を評価するには?

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