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日本株はいつまで上がるか? イエレンの加護vs.中国バブル崩壊リスク=藤井まり子

利上げで中国にトドメを刺した後、利下げで世界を救うイエレン

こういった「株式市場を安心させて励ます」流れの一環として考えると、10月14日のイエレンFRB議長の唐突なまでの「高圧経済(=ハイ・プレッシャー・エコノミー)」発言も、理解しやすいと思います。

イエレン議長の14日の講演での「唐突なまでの高圧経済」への言及は、「人民元のじり安で、2017年のグローバル株式市場はとうとう調整局面入りか?」と心配されていた、まさにその矢先の「超ハト派発言」でした。
「高圧経済」政策、唯一の危機打開策となり得る=米FRB議長 – ロイター

「高圧経済」発言は、ひらたく言えば、「2%以上のインフレも良しとする、インフレ放置」の「超ハト派の発言」です。

すなわち、「高圧経済」とは、「低金利継続で、需要を過熱気味にしてインフレを加速させ、労働市場を逼迫させる(=労働力不足気味にして賃金を押し上げる)。労働力不足は、企業に設備投資を促して、生産性を上昇させる。設備投資による生産性上昇がさらなる賃金上昇を促して、賃金上昇はさらなる需要旺盛を導く。この需要旺盛がさらなる設備投資を促す」好循環経済のことです。

言ってみれば、「脱ケインズ主義」の発想です。

そうなんです。

イエレンFRB議長は、物価目標が2%を大きく上回ることも「よし」として、緩和的な政策の中で、「いくばくかのバブルを容認」しながらインフレを持続させて、「高圧経済(ハイプレッシャー経済)」の労働力不足気味の中で、生産性革命を推進しようと意図しているようなのです!

この「高圧経済」発言は何を意味するのか?

・イエレンFRB議長は、弱体化している中国経済に「とどめ」を刺すためにも、「今年12月に二度目の利上げ」に着手するでしょう。その確率は70%くらいです。

・しかしながら、イエレンFRBは、時と場合によれば、「来年2017年以降の利上げは行わない」かもしれません。

・すなわち、イエレンFRB議長は、「FRBによる二度目の利上げ後の国際金融市場の行方」次第では、「利上げを行わない」「利下げさえ断行する」覚悟があるのではないでしょうか?

すなわち、12月の「イエレンFRBの二度目の利上げ」着手が引き金になって、この秋から冬にかけて国際金融市場で激震が走ったならば、時と場合によっては、FRBは「利下げ」も辞さない覚悟が、この「高圧経済」への言及だったのではないでしょうか?

なにはともあれ、イエレンの14日の爆弾発言を受けて、アメリカ株式市場では強気派が大復活!アメリカ株式市場は、再び「穏やかな上昇気流」に乗ったように見受けられます。

ただし、というか、ですからこそ、「中国の不動産バブル」崩壊には要注意なのです。

Next: 上昇に転じた日本株式市場、海外ヘッジファンド参入の背景とは?

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