決算で下がった個別銘柄は「買い」なのか?
ここ数日は、決算の影響を受けて、上下に派手に株価が「飛んでいる」銘柄も多くなっています。1年に4回の決算シーズンは投資家にとって「鬼門」ですね。
上がるか?下がるか?決算発表が出るまで予想がつかないのでドキドキです。この時期「いきなりの急落」で青くなる人も多いと思います。
通常、「急落した銘柄は買い」ですが、最近の個別銘柄の値動きで目立つのは、「下がったまま浮上しない」パターンが多いことです。
たとえば今日は花王<4452>が急落しました。原因は「業績予想の下方修正」です。
花王の、昨日(27日)の終値は5,743円でした。ところが決算発表を経た、今日(28日)の終値は5,418円。1日で325円、5.65%もの急落です。
通常の(健全な)相場では、こうした急落銘柄は「買い」です。急落の反動で上昇する場合が多いからです。しかし、最近の相場では、急落の後の反発が見られません。長く安値圏で低迷することが多いのです。
花王の場合も、割安に見えますが、すぐに買うのは危険でしょう。「しばらく反発しないかもしれない」と警戒しつつ、8月の安値5,200円付近程度をメドに、下がるのを待って買った方がいいと思います。
いえ、できれば「5,000円割れを狙う」ぐらいの慎重さが欲しいところです。
上昇トレンドの銘柄は「買い」なのか?
一方で、決算がよく上昇した銘柄は、しばらくの間、そのまま上昇トレンドを続ける傾向があります。ですから、「安くなった銘柄を買う」よりは「高い銘柄を追いかける」方が、いいと思います。
しかし、上昇している銘柄も、やはり急騰したあとは調整するので、買いのタイミングが難しく、無理に買うと「買ったら天井だった」ということになりかねません。
また、上昇トレンドを作っている銘柄に目を付け、慎重に上昇トレンドを確認してから買うと、まさに買ったところ(上昇トレンドがハッキリした時点)で上昇トレンドが終わったりします。
結局、日銀の過剰な買い支えで、正常な株価の上下変動が起こらなくなってしまっている今、個別銘柄のトレードは難しいと言わざるを得ません。