「廃炉費用が青天井なので新電力から調達します」意味不明すぎる論理
ぶっちゃけた話、廃炉費用は青天井です。どいつもこいつもバカなので、大手電力会社は「廃炉費用の貯金」なんてしていません。一応の貯金はあるけれど、その貯金を廃炉費用に使うなんて断固拒否。
そんなに意味のない金に使うなんて冗談じゃないからです。
そもそも、しっかり廃炉を完了させたことは一度もありません。廃炉工事に入ったところもありますが、それでもまだ完了していないし、核燃料の最終処分方法も決まっておらず、「トイレなきマンション」と言われているぐらいなので、しっかり廃炉にするために、お金がいくらかかるのかがわかっていないのです。
ただ、わかっていることとしては「金額は分からないけど、とてもじゃないけど払いきれない金額であることは確か」だということ。その金額次第では電気代が今の2倍や3倍になる可能性だってあるということです。こうなった時には税金で負担するか、借金するかの選択肢しかなく、いずれにしても明るい未来ではありません。
大手電力会社が今のままヌクヌク生きていくためには、新電力会社にも青天井の廃炉費用を出してもらわないと困ります。なにしろ、ただでさえもユーザーが減ってしまい、電気代が高くなるところに、きっちりと廃炉費用なんぞ請求した日には、1ヶ月の電気代が3万円になっても足りなくなる。
これを避けるためには「新電力会社に負担してもらう」しかないのです。しかし、新電力会社の立場からすると「オマエが無能をこじらせて原発を作っただけなんだから、こっちは知らねぇよ!」という話です。
反発が生まれるのは当然なんですが、「送電線がなければオマエたちの電気は送れないのだ」と、電線を人質に取り、強制的に払わせようとしたのです。
大手電力の原発よりも、自前の火力発電のほうが安い
百歩譲って、新電力会社が原発の廃炉費用を負担しても、依然として新電力会社が有利であることに変わりはありません。実は誤魔化しているけれど、原発そのもののコストが尋常ではなく高いからです。
どれだけ原発の方が安く思えるような計算式を編み出しても、実際のコストは高いので、原発を持たずに低コストで発電する人たちには勝てません。
電力を大量に消費する大企業の工場では、自前の発電施設を持っており、むしろ電力会社に売っているほど。電気代が高くなると困ると言っているのは、ショボい町工場ぐらいなものなのです。
自前の発電施設を持っているということは、どういうことか。電力会社に発電してもらうより、自分たちで発電した方が電気代が安いということです。
つまり、大手電力会社が言い値に近い金額を出しても、自家発電(小規模火力発電)の方がコストがかからないということになります。
あの東京ディズニーランドなども自前の発電所を持っていて、東京電力は予備電力的な位置付けで契約されています。原発を持っている大手電力会社が限界まで値下げした金額よりも自前の火力発電の方が安い。これがすべてを物語っています。