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じわりと上昇する原油価格

海外の金融メディアで原油価格と今後の展望が話題になっているので、記事の一部を紹介したい。(FT:本文) 

 

世界の代表的な原油三大ベンチマークとして、北海ブレント(ブレント)、WTI(ウエスト・テキサス・インターメディエイト)、ドバイ原油があげられるが、どの指標も価格上昇が続いている。現在ブレントは直近2か月ぶりに高値更新(グラフ参照)となっている。

【北海ブレントの価格推移】

じわりと上昇する原油価格

ブレントは1バレル$52.54をつけており、またWTI(ウエスト・テキサス・インターメディエイト)は$49.69の価格をつけ、5月29日以降高値となった。

 

この上昇の背景としては、サウジアラビアが今年8月に原油輸出量を減少させ需給バランスを改善しようとしている事と、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国の原油国が2018年3月まで減産に合意している事が材料視されたと言われている。需給を改善させる施策と原油の底値感が評価され買い注文が入ったのだろう。

 

各企業の業績において、大手石油会社の収益は過去3年間の原油価格下落に伴い低迷していたが、これまでコスト削減や収益の効率化を図ってきた結果、現在業績は回復基調にある。(FT:本文) 例えば、米大手石油会社のシェブロンは1年前に$15億の損失を計上していたが、今年は$15億の利益を計上しポジティブな評価を得ている。

 

イタリアの大手石油会社であるEniは去年€3億1,700万の損失を計上していたが、今年は純利益が€4億6,300万の利益となり予想を上回っている。約3年前の1バレル100ドル当時と比較すると、経営体制の改善、生産・輸出計画等が改善されたと言えるだろう。

 

日本でも2011年の歴史的円高に伴い各企業の業績悪化を招いたが、コスト削減や生産性の向上に取り組み、厳しいビジネス環境を乗り越えてきた状況を思い出させる。

 

現在、日本の石油企業の株価は極端な割高な印象を受けず、低PBR(株価純資産倍率0.3~0.4)の企業も幾つか存在する。最近はグローバル企業の業績回復の兆候が見られ石油価格も上昇する可能性を示唆しており、今後石油業界の動向は注目かもしれない。

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