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順当なGDP大幅下方修正、それでも「順調な成長」を強調する日本の問題点=近藤駿介

政府がGDPを4.0%増→2.5%増へ大幅に下方修正。内需の寄与度も1.3ポイント→0.9ポイントへ下方修正されたが、「内需主導の成長は変わっていない」としている。(『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』近藤駿介)

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料版『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』を好評配信中。

やはり高すぎた速報値。本当に内需主導の成長は変わらないのか?

GDP、4.0%増→2.5%増に下方修正

内閣府が8日公表した国内総生産(GDP)の改定値は、物価変動の影響を除いた実質の年率換算で前期比2.5%増となり、8月の速報値(4.0%増)から下方修正された。

出典:GDP2.5%増に下方修正 4~6月改定値、設備投資伸び小さく – 日経電子版(2017年9月8日配信)

瞬間風速にしても高過ぎると思われていたGDP速報値。やはり大幅に下方修正された。

実質成長率に対する内需の寄与度は速報の1.3ポイントから0.9ポイントに下方改定。外需はマイナス0.3ポイントで変わらなかった。内閣府は「内需主導の成長は変わっていない」とした。

出典:GDP2.5%増に下方修正 4~6月改定値、設備投資伸び小さく – 日経電子版(2017年9月8日配信)

「成長への寄与が最も大きかった個人消費も、速報値の0.9%増からわずかに下方修正して0.8%増」となったなかで、「内需主導の成長は変わっていない」と判断するか、「頼りない内需に辛うじて支えられた成長」と見るかは、読み手のセンスと判断

「7月の名目賃金は1年2か月ぶりに前年を下回った。月々の給料は増えたが夏のボーナスが減って総額が目減りした」なかで「内需主導の成長は変わっていない」という判断は、楽観的過ぎるともいえる。

GDP改定値は1~3月に1.2ポイント、4~6月は1.5ポイントそれぞれ下方修正された。現在の推計方法となった10年4~6月以降で、最大の下げ幅を2四半期続けて更新した。

出典:ぶれる日本の成長率 再び「法人企業統計」でズレ – 日経電子版(2017年9月8日配信)

下方修正の原因は

GDPが大幅に下方修正された原因は、1~3月期は在庫4~6月期は設備投資

在庫は以前からGDPを予測するうえでの不確実要素で、GDP予測を外しまくる民間エコノミストが泣きついたことで、2015年から民間企業の在庫の内訳が開示されるようになった。しかし、その効果はほとんど現れていないことが明らかになった。

必要なデータが不足しているから予想が外れるのか、それとも十分に揃っているデータを正見できないから予想が外れてしまうのだろうか。

【関連】安倍内閣がひた隠す景気後退「いざなぎ詐欺」の忖度と不正を暴く=斎藤満

ちなみに、「マーフィーの法則」の中の「スペンサーのデータの法則」では、次のような指摘がされている。

  1. 十分なデータがあれば、誰でも判断を下せる
  2. 有能なマネージャーは、データが不十分でも、判断を下せる
  3. 完璧なマネージャーは、何も知らなくても、職務を全うできる

さて、日本の経済政策を担っている人やアナリストは、どこに属する人達なのだろうか。


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近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2017年9月8日)より
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