4.「ワイド・モート」を持つ企業に資金を投入する
ワイド・モートとは「大きな堀」という意味です。
城を守るためには、「大きな堀」が必要となります。どんなに高収益の企業でも参入障壁(大きな堀)がなければ、競争相手がどんどん増えてきて、低収益のビジネスに落ちていきます。
バフェットは次のように発言しています。
本当にすばらしいビジネスは不朽の「お堀」が存在し、それによって高い利益が守られている。
また、バフェットはROEという指標を使って、「大きな堀」を持っているかどうかを確認しています。
年間のROEが15%以上ある限り、四半期の業績を見てうろたえる必要はありません。
ROEは「1株あたりの利益(EPS)÷1株あたり株主資本(BSP)」で求められます。
バフェットは、どのぐらいの株主資本を投入して、どれだけ大きな利益を出せるのか?を重視しています(自動車でいう「燃費の良さ」のような指標です)。過去10年ぐらいのROEを確認して、高いROEを維持していれば、「ワイド・モート」があると判断しています。
また、ワイド・モートは長期投資にも関係しています。次の発言です。
信頼できるもの、そして10年、20年、50年経ってもみんなが欲しいと思うものをつくっていく事業なのか。これらが、私が投資判断するうえでの基準であります。それについて、見方はまったく変わっていません。
単純にROEという数字だけを見て、機械的に判断するのではなく、事業そのものを評価して、「ワイド・モート」を持っているかどうかも確認しています。
10年、20年、50年という長い期間にわたり、「みんなが欲しいと思う物やサービスを提供している企業」を選択しています。
長期投資で複利マジックを生かすためにも「ワイド・モート」を持っているかどうかはとても大切なのです。
ワイド・モートは有料ブリッジ型ビジネスとも言われています。「有料ブリッジ」とは、名前の通り、泳がずに川を渡るためには、料金を支払って渡るしかない橋を意味します。
バフェットはワイド・モート(有料ブリッジ)を持つ企業の具体例として、コカ・コーラを挙げています。
コカ・コーラが10年後、どれほどの業績をあげるかは多少の幅で予想がわかれるかもしれません。しかし、長期にわたって投資を続けたときに、世界中の企業をリードできると確信しました。そして所有していなければならないと考えました。コカ・コーラは20年後には経営者が変わっていることでしょう。しかし、それでもコカ・コーラの優位性は揺るぎないと思うから、投資をするのです。
もしあなたが9兆円を私にくれて、コカ・コーラから飲料水のシェアを世界で奪えと頼んだら、私は全額あなたに返し、出来ませんと言うよ。
「ワイド・モート」は必ずしも「数字」だけではなく、「目に見えないもの」も含まれるため、判断するのが難しい面があります。
一つヒントになるのが、バフェットは「コカ・コーラが子どもの時から大好きだった」という事実です。自分の興味・関心のある分野だったら、「ワイド・モート」かそうでないかを的確に判断できます。
バフェットはチェリーコークという超甘いコーラが好きで、今でも毎日、飲んでいるそうです。
成功した人に「真似ぶ」ことの重要性
ウォーレン・バフェットの投資原則は次の4つに集約されます。
- 「安全域」を確保する
- 「長期投資」で複利の力を活用する
- 「集中投資」で資産を築く
- 「ワイド・モート」を持つ企業に資金を投入する
もし今の自分の投資スタイルと見比べて、合っていない部分があれば、訂正していきましょう。この4つの要素をまとめると、次の一文に集約されます。
「安全域を確保しながら、ワイド・モートをもつ企業に資金を集中投資して、長期投資による複利マジックで資産を大きく育てる」
私たちは無意識のうちに「自分流」に流れがちですが、成功した人に「真似ぶ」ことこそが最も合理的な成功方法だと、私は信じています。
『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2017年1月15日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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