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日本はもうノーベル賞を取れない? iPS細胞研究さえ寄付頼みの悲惨な現実=小浜逸郎

iPS細胞研究の山中伸弥さんが「寄付を募る」切迫した現実

筆者は去る9月18日にある情報に触れ、愕然としました。ノーベル賞受賞者で京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥さんが、「ご支援のお願い」として寄付を募っているのです。それだけならさほど驚きませんが、何と次のように書かれていました。

iPS細胞実用化までの長い道のりを走る弊所の教職員は、9割以上が非正規雇用です。これは、研究所の財源のほとんどが期限付きであることによるものです。

とっさに「財務省よ! 竹中よ!」と、怒りがこみ上げてきました。単年度会計、短期決戦での利益最大化。長期的な見通しや雇用の安定など知ったことではない。ノーベル賞級の基礎研究までが、この風潮の犠牲となっているのです。

こういう状態がこのまま続くと、日本の科学技術は、確実に世界に遅れを取ってしまうでしょう。

寄付に頼るというのはやむを得ない手段と言えますが、そこにばかり依存してしまうようになるとしたら切ない話です。国民経済の立場からは、政府の間違った経済政策に対してもっともっと怒りの声を発するべきなのです。

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三橋貴明の「新」経世済民新聞』2017年10月12日号(日本からはもうノーベル賞受賞者は出ない?)より

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