【米国】「10年債利回り3%」で何が起こるか?
アメリカは確かに良い状況ですが、目先の良いところはマーケットに既に織り込まれてしまっています。金利が3%になったり、為替政策でドル安を仕掛けられたりといった恐ろしいお化けがアメリカにはまだ残っているのです。一方、ヨーロッパはまだ恐ろしい状況が出まくっていて、終わる見通しが立ちません。どちらも相当きつい状況だと言えます。
アメリカではFRBが自信たっぷりです。去年は中国が心配、BREXITが心配などと言いながらなかなか利上げをせず、満を持して12月に利上げを行いました。とは言え、まだ1%にも達していないところです。2017年には3回利上げすると言っていますが、去年の今頃も同じようなことを言っていました。私は3回は無理だと思っています。
あと1回利上げを行い、10年債が3%に乗ってきたら、まず自動車売れ行きの伸びが落ちます。原油も上がっているので自動車販売はまず落ちてくるでしょう。さらに、金利が3%に乗せるとモーゲージレートが上がるので、住宅も落ちてきます。
そして、トランプの言っていたことで少しでも気になるところ、例えば雇用がそれほど増えるのか、為替のドル高は続くのか、むしろドル高が続けば輸出メーカーに悪影響ではないかなどといった話が出てくれば、失速のリスクは大いにあると思っています。米国国債が3%を超えるようだと、さすがに黄信号から赤信号という段階だと思います。