「逆張り」と「バイ&ホールド」が機関投資家に勝つ秘訣
上記のような機関投資家の特性を知っていれば、皆さまのような個人投資家が機関投資家に勝つのは難しくありません。
個人投資家の投資スタイルは自由です。自分の資金を使って売買を行うため、誰からのプレッシャーを受けることもありません。そのため、機関投資家から一歩引いたスタンスを取ることがパフォーマンスを上げることにつながります。
個人投資家全体を見れば、株価が下がったときに買い、上がった時に売る「逆張り」の傾向が見られます。これは機関投資家とは逆の動きです。当社が推奨しているバリュー株投資のスタイルにも比較的似ています。
個人投資家の強みは、機関投資家が売らなければならないような「不祥事銘柄」や「業績悪化銘柄」が安くなった時に買うことができる点です。多くの人から嫌われる銘柄も、誰の許可を取る必要もなく自分の責任において買うことができます。価値が伴っていれば、時間が経つに連れて適正な株価を取り戻し、結果的に大きなパフォーマンスを上げることができるでしょう。
個人投資家のなかには一日中画面に張り付いて取引を行うデイトレーダーもいますが、大部分は買ってから3〜5年以上持ち続ける「バイ&ホールド」のスタンスです。特に、昔からの富裕層にこそ、その傾向が見られます。彼らは気に入った株があれば目の前の動きにとらわれずいつまでも持ち続けるのです。
「逆張り」と「バイ&ホールド」は、バリュー株投資の考え方に合致するものです。短期的な成果を求められないからこそ、本当に価値のある株をより安い時に買い、あとは適正な価値に上昇するまで待つことができるのです。
一方で、短期的な成果を求めると、瞬間的には良いパフォーマンスが挙げられるかもしれませんが、株価が下がる局面では大きく資産を減らしてしまいます。このような人が参入しては敗れていくのが株式投資のイメージを悪くしていますが、うまくいっている投資家の実像は、彼らとは一線を画す長期投資家なのです。
腰を据えて先を見据えた投資を行う正統派個人投資家になり、長い目で見た時に機関投資家を上回ることを目指しましょう。
つばめ投資顧問は相場変動に左右されない「バリュー株投資」を提唱しています。バリュー株投資についてはこちらのページをご覧ください。記事に関する質問も受け付けています。
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2017年2月1日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。