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ITバブルをスルーした天才ロバートソンは、なぜ今FANGを買っているのか?=東条雅彦

ジュリアン・ロバートソン氏をご存じでしょうか?過去のバブルに決して乗らなかった85歳の投資家が、今ハイテク株への集中投資で大きな含み益を抱えています。(『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資〜雪ダルマ式に資産が増える52の教え〜』東条雅彦)

2000年代初頭のITバブルと、現在のFANG相場は何が違うのか?

過去のバブル崩壊を次々に的中

前回、デイビット・アインホーンの投資戦略を紹介した所、とても好評でした。今回も引き続き、私がもう1人注目している投資家を紹介します。それは「ジュリアン・ロバートソン」です。

ロバートソンは「バリュー投資」を実践している代表的な投資家の1人です。以下、マネックス証券のiBillionaireより引用します。

<ジュリアン・ロバートソン>

タイガー・マネジメントCEO兼会長
タイガー・マネジメント創業者。1980年にタイガー・マネジメントを設立。主に割安な商品は買い、割高な商品は売る手法を用いていた。2000年にファンドが清算されるまでに驚異的なリターンを叩き出した。タイガー・ファンドを清算後は、自己資金を使って投資を開始。自身が育てた弟子たち(タイガー・カブス)が立ち上げたファンドにも投資をしている。サブプライムローンの破綻も的確に予測し、莫大な利益を上げたと言われている。

出典:マネックス証券「iBillionaire」

<2017年6月末時点のポートフォリオ>

でも今の保有上位銘柄は大半が「ハイテク株」

ポートフォリオの上位銘柄の大半がハイテク株で占められています。赤枠で囲った銘柄は最近、株価が上昇してきている銘柄です。どの銘柄も安値で仕込んでいるため、とても高い含み益を抱えた状態になっています。

ロバートソンは元々、2000年前後に発生したITバブルを「崩壊確実な砂で作ったピラミッドに過ぎない」と断じました。それなのに、現在はアリババ、アルファベット(Google)、Facebook、アドビシステムズ、マイクロソフトなどに投資しています。順番に損益率が+48.30%、+75.38%、132.91%、+55.93%、+62.09%となっています。

現在、ジュリアン・ロバートソンは85歳とかなりの高齢です。ウォーレン・バフェットが87歳なので、2人はほぼ同世代なのですが、ポートフォリオがまったく異なっています。これらのハイテク企業群を上位銘柄に組み込んでいるところを見ると、とても85歳の人が組んだポートフォリオには見えません

Next: 「市場全体は割高でも、FANG銘柄は割安だ」ロバートソンの思考

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