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脱ニュースウォッチャーのススメ。賢明な投資家のための情報収集術(中)=俣野成敏

【生まれながらに持っている能力に着目する】

実は、私は中間管理職を経験したことがありません。平社員か経営者しか経験がないという、普通の人とは違う経歴を持っています。平社員の時に社内ベンチャーに応募してメーカー内でアウトレット流通を創業し、サラリーマン経営者となりました。おそらく、ベンチャー企業の実力主義や、オーナー企業の跡取りであれば、珍しくないかもしれません。しかし、私が働いていたのは創業100年を迎える老舗上場企業でしたので、まずあり得ないことでした。

本来、人には2種類の能力があり、それは「生来、持って生まれた能力」と「後天的に身につけた能力」の2つです。私は幸いなことに、生れながらにしてマネジメントの能力を持っていました。これを“才能”と言います。

才能とは、習わなくても「自分で自分を開発できる能力」のことです。たとえば、言語などがそれに相当するでしょう。一般に、人は生まれながらに言語を操る才能を持ち合わせている、と言うことができます。

誰かが、ある分野で一流になりたいと思った場合、才能がなくても努力によって一流になることは可能です。しかし、一流の中の一流になりたければ、やはり才能が必要となってくるでしょう。

中間管理職をしたことのなかった私が「自分にはマネジメントの才能がある」と気づいたのも、他人からのフィードバックに注目したからでした。フィードバックと言っても、それは何も「他人からアドバイスをもらわなくてはいけない」ということではありません。大事なのは相手の“リアクション”です。要は他人の反応を見て、自分の中で結果の比較を行えばいいのです。

私は、それまで売れ残った在庫を処分できずに困っていた社内事情に着目して、アウトレットモールでそうした在庫を処分するアイデアを会社に提案し、採用されました。2002年3月に三重県のジャズドリーム長島開業とともに初出店した際、私は経営者と店長を兼ねていました。

出店当時、ジャズドリーム長島では84店舗のお店が一斉にスタートしました(現在は302店舗に増床し、日本一のアウトレットモールに成長)。それまでメーカーの一社員に過ぎなかった私は、何もかもが初めてのことばかりです。ですから、このアウトレットモールの横の連携を活かして、他店の店長から盛んに情報収集を行いました。

すると、話をしているうちに「自分は苦もなく行なえていることなのに、他所の店長は随分苦労をしているようだな」と思う場面に度々、遭遇しました。特によく耳にしたのは「アルバイトが動かない」「すぐ辞める」といった、人についての悩みでした。こうした声と、自分の行動している結果の跳ね返りとを比較した結果、だんだん自分の得意分野が見えてくるようになりました。

もちろん、同時に不得意分野も見えてきます。たとえば、私は整理整頓が苦手だ、ということをはっきりと自覚するようになりました。それに関する本を読んだり、自分なりにいろいろ工夫もしてみましたが、苦労した割には成果が今ひとつだったのです。そこで、当店一の整理上手に整頓させてみると、自分でやるよりも短時間に、みんなにわかりやすいように整理してくれました。しかも、任された当人も嬉々として動いてくれます。

このようにして、私は自分のみならず、他人の才能を見抜く能力にも恵まれていることに気づくようになりました。そして、お互い周りからの評価が高い分野に特化することで、より大きな成果が生まれることに気づいたのです。

Next: 自分の得意分野を見つけて開発する方法とは?

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