相続時に遺族が行う手続き、皆さんは何を思い浮かべますか? 不動産や預金口座の名義変更手続きなどもありますが、意外に面倒なのがカード類の整理です。(『こころをつなぐ、相続のハナシ』山田和美)
1986年愛知県稲沢市生まれ。行政書士、なごみ行政書士事務所所長。大学では心理学を学び、在学中に行政書士、ファイナンシャルプランナー、個人情報保護士等の資格を取得。名古屋市内のコンサルファームに入社し、相続手続の綜合コンサルに従事。その後事業承継コンサルタント・経営計画策定サポートの部署を経て、2014年愛知県一宮市にてなごみ行政書士事務所を開業。
「終活」で忘れがちなカード類の整理。遺族に負担をかけることも
人が亡くなると、数多くの手続きが必要
相続が起きた後の手続きというと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
不動産の名義変更、預金口座の解約、証券口座の名義変更、相続税の申告…など、人によって様々なものを挙げられるでしょう。
もちろん、これらもとても大切な相続手続きです。しかし、それだけではありません。
相続後の手続きは、亡くなった方名義のものを、すべて解約もしくは名義変更するということ。そのため、細かいものまで含めると、非常に数多くの手続きが必要になるのです。
見落としがちなカード類の解約手続き
見落としがちなものとして、例えば、ポイントカードやクレジットカード等の解約・名義変更があります。
会員制を導入している企業も多く、財布の中にたくさんのカードを持っている人も少なくないでしょう。中には年会費がかかるものもあり、解約をしそびれると、使ってもいないカードの会費が請求されてしまいます。
また、一部のクレジットカード等には保険が付帯しているものもあり、手続きをしないともらいそびれてしまいます。
もちろん、年会費はかからず単に破棄すれば良いというカードも少なくありません。しかし、申し込んだ本人でなければ、「これは年会費がかかっていない」「これはもう何年も使っていない」等、振りわけるのは容易ではありません。
そのため、残されたご遺族がカードの発行会社にひとつずつ連絡して、手続きをする必要があるのです。カードの発行会社によっては電話がつながりにくいこともあり、この連絡をするだけでひと苦労。ましてや、相続発生後でただでさえやるべきことが多い時期です。
そのため、終活の一環として、下記なども必要になってきます。
- もう何年も使っていないカードは解約・破棄しておく
- 年会費のかかるカードの一覧などを作成しておく
これだけでも、残されたご家族の負担を減らすことにつながります。
終活をされている方、またこれから終活をしようとしている方は、ぜひこのあたりも頭の隅に入れておいていただくと良いでしょう。
『こころをつなぐ、相続のハナシ』(2017年11月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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