まとめ:テクノロジーが国家を凌駕する時代がやってくる
最後にまとめます。
2017年に巻き起こった次の3つの大きな変化は一見、別々の現象に見えます。
- IT嫌いのバフェットがハイテク企業に興味を示し始めた
- AI(人工知能)に対する期待が高まってきた
- 仮想通貨がフィアットマネーに対して大きく上昇した
しかしながら、根本はすべて同じです。つまり、「テクノロジーの信用力が上昇する一方で、国家の信用力が下降している」ということです。
現在の先進国は、どの国家も借金にまみれています。GDPが伸びるペースよりも債務が積み上がっていくペースの方が早いため、どの国も債務残高が積み上がってきています。
<債務残高の国際比較(対GDP比)>

出典:財務省(OECD “Economic Outlook 98″2015年11月)
ハイテク企業(グローバル企業)は、節税スキームを使って、国家に税金をほとんど納めていません。そのため、ハイテク企業の事業が伸びても、国家の収入は増えずに、債務残高の膨張になかなか歯止めをかけられていません。
世界各国の中央銀行も、2008年のリーマンショック以降、異次元緩和を実施して、フィアットマネーを増発しました。その増発したフィアットマネーは、ハイテク企業の株や仮想通貨に向かっています。
ハイテク企業にしろ、仮想通貨にしろ、彼らは「国籍を持たない住人」です。テクノロジーには国籍がありません。国家は、彼らにうまく税金を課すことができていないのです。
現在、米国のトランプ政権はこの流れを変えようとしていますが、結局、タックスヘイブンに対抗するために大幅な減税に踏み切るしかない状況です。
20世紀の経済環境とは根本的に変わってきています。そして、インターネットは世界が国家を飛び越えて、世界を1つに結びつけようとしています。
今後はその傾向がますます強くなってきています。この流れには誰も逆らえません。
2017年はとても注目すべき変化の多い年になりました。来年以降、どんな年になるのか。不安も期待も大きい!いずれにしても面白い変化が巻き起こりそうです。
『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2017年12月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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