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「金持ちになる読書」vs「貧乏になる読書」何がそこまで違うのか?=午堂登紀雄

本に答えは書いていない

「絶対儲かる成功法則」なんてものは存在しませんが、なぜそういうタイトルの本が出るかというと、その方が売れるからです。売れるなら、著者としても出版社としても、やはり売れるタイトルで出そうとします。

実際、読者に考えさせるような本ではなく、「これが必勝法」「この通りにやればうまくいく」という論調の本が売れる傾向にあります。でも、そんなのは幻想です。

たとえば、ガイドブックや辞典や手引き書には、答えが書いてあります。なぜ答えがあるか?知ってもお金にならないからです。お金にならない情報は簡単に入手できますが、お金になる情報は入手が難しい。なぜかというと、お金になる情報は、リスク、恐怖、困難、という仮面をかぶって流通しているからです。

お金持ちになる答えがあれば、全員お金持ちになれます。でも現実にお金持ちになれる人が少ないように、そんな答えはありません。そもそも、本に答えは書いていないし、そういうものを期待しても、プロセスをとばして結果だけ求めようとしますから、結局うまくいかない。

本には答えではなく、たくさんのダイヤの原石、つまりヒントが隠されているだけ。だから、その原石を拾い上げ、磨いてあげなければならない。つまり、自分の力で、リスク・恐怖・困難という仮面を剥がしてあげて、なおかつ繰り返し実践しなければならないのです。

答えが書いてある本は時に悪書となる

反対に、明快な答えを提示してくれている本は、時に悪書となります。

お金に関する本にもありがちなのですが、言い切ると主張が明快になるので、本としては売れる傾向があります。「これに投資しろ」「これが値上がりする」などと言われると、読者は考えなくてよいので安心します。そしてそういう人がカモになるのです。

実際には、年齢も収入も資金余力も運用技術も、人それぞれ異なるし、マーケットの状況も違うし、そもそも運用の目的も人によって異なる。だから、万人に対してそのアドバイスが適するとは限らない

知的に鍛えられた人というのは、自分の思考を簡単に他人に預けたりはしません。しかし知的に弱い人は、著者の差し出した結論に安易に飛びつきます

言い切られること、断定されることは、思考停止させるだけの力があるということに、私たちはもっと敏感になる必要があります。

Next: 「成功本」は著者のかつてのプロセスを理解しながら読む

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