トルコが鍵を握る? 中東の勢力図は
中東での勢力図は、シリアのアサド政権にイラン、ロシアがつき、これに対峙する形でイスラエル、米国がいて、さらにスンニ派のサウジがこのイスラエル、米国連合に協力しようとしています。
米国としては、このサウジに中東のスンニ派を中心に勢力を集めさせ、イランに対抗させようとしています。その際に、ムハンマド皇太子が利用されています。
さらに、かつての軍事大国トルコが米露とともにシリアで軍事作戦を展開しています。このトルコの存在が両勢力のバランスに微妙な影響を与えるので、米露両国がともにトルコを取り込もうとしています。
トルコはかつてロシアの民間航空機を撃墜してしまい、ロシアとの関係が悪化したのですが、エルドアン大統領がプーチン大統領に謝罪し、関係改善を図りました。
そのトルコは、米国が支援するクルド人民兵勢力と闘い、その点で米国と対峙する形になっていました。そこへ米国のティラーソン国務長官が15日、トルコのアンカラを訪問、エルドアン大統領と3時間以上にわたる会談を行いました。米国政府高官によると「率直で生産的」な会合だったと言います。その後、CNNは、トルコとシリアとの間に緊張が高まったと報じています。
「中東」を優先する米国
米国はさすがに「二正面作戦」は厳しく、北朝鮮かイランかどちらかを選ぶ必要があります。もともと北よりもイラン攻撃を優先していたのですが、北朝鮮の核ミサイル開発が急ピッチで、米国にも近いうちに本土を狙われる脅威となると考えられるようになったことから、にわかに北が焦点となっていました。
しかし、北が韓国に融和姿勢を見せているだけに、当面はイランに注力できる形となりました。
もっとも、米国が直接イランに攻撃を仕掛ければ、ロシアとの戦争にもなりかねません。米国もロシアも互いに戦うつもりはないはずです。
最後はイスラエルにアラブの米国支援勢力を携えて、彼らにイランを攻撃させる形になると見られます。今はその前哨戦とも言うべく、シリア領内のイラン軍事施設をイスラエルが攻撃する形になっています。