ヤフーは決算開示直前に、「ジャパンネット銀行の連結子会化」を発表しました。今後は既存の2大事業「広告」「EC」に加え、「Fintech」が第3の矢になるでしょう。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2018年3月1日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
待望の「ジャパンネット銀行」連結子会社化に成功。今後の戦略は
決算開示「直前」の重要なリリース
今日はヤフーの2017年9月~12月期の四半期決算を振り返りたいと思います。
決算の開示直前にヤフーから重要なリリースが出ました。
このリリースは、昨年より準備を進めていたジャパンネット銀行の連結子会化がついに完了したという内容になっています。
今日はこの点をしっかり踏まえた上で、ヤフーの2つの大きな既存事業である「広告事業」と「EC事業」にプラスして、「Fintech事業」がヤフーの第三の矢になるであろうという話をしたいと思います。
では、決算資料から既存事業の主な進捗を見ていきましょう。
※ヤフー株式会社 2017年度第3四半期 決算説明会(2018/2/2)
全体としては四半期の売上が2,307億円で前年同期比+4.3%と成長率が落ち着いてきていることが分かります。
広告ビジネスの成長率
広告ビジネスの四半期の売上は778億円で前年同期比+7%の成長です。
スマートフォン広告の四半期売上が前年同期比で+15%に伸びていることを考えると、PCの広告売上が減っている分をスマホの広告売上の増加で補うことで、全体で+7%になっているということになります。
日本ではスマートフォンの普及は一段落していると考えるのが自然ですので、今後はユーザー数の増加というより、広告をよりリッチ化してパーソナライズすることで広告単価を上げていく戦略になるのではないかと考えられます。