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日本の失業率は怪しい。雇用絶好調なのに賃金が上がらないワケ=斎藤満

低賃金でも働きたい労働者がたくさんいる

さらに、新規失業保険申請件数が70年代以来の低さになり、これが労働需給ひっ迫の代名詞のようになっていますが、失業保険をもらえない失業者が依然として大量にいることです。

足元で失業保険を受給している人は193万人で、このところ目立って減少していますが、失業者数はまだ670万人います。つまり、失業保険をもらえない失業者がなお480万人弱いるということです。

この失業保険をもらえない失業者の多くがヒスパニックや黒人で、低賃金でも働きたいという圧力になっています。おまけに2,600万人を超えるパート労働者が低賃金を後押しし、さらに4000万人を優に超える「非労働力人口」、つまり16歳以上で労働市場に参加していない4000万人以上の人々が、これから生活環境が苦しくなれば、労働市場に入ってくる可能性を秘めた潜在的労働力として控えています。

つまり、失業率4.1%が示唆するほど、現実の労働市場はひっ迫していない可能性を示唆していて、さらに日本のような政府が指導する「働き方改革」ではなく、労働者が自らの意志によって「ワーク・ライフ・バランス」を考えた働き方を選択するようになっています。

日本でも賃金は上がっていない

同じように人手不足が指摘される日本でも、春闘の交渉を見ていると、自動車や電機などリード役となる産業で定昇を除いた賃上げが1500円程度に留まっています。これでは所定内給与は0.3%程度の上昇にしかなりません。これでは最近の物価上昇分もカバーできません

日本でもインフレ率を押し上げない最低失業率は2%台半ばと見られており、足元の失業率は2.4%まで低下し、理屈からすれば、そろそろ賃金上昇、インフレ率の上昇となってもおかしくないはずです。

しかし、春闘の状況はこれにそぐわないものとなっています。

日本は失業者数を正しく把握できていない?

日本でも米国と同様、失業率の数字が示すほど労働市場はひっ迫していない可能性があります。

例えば、日本の失業率はこの1月で2.4%と、米国の4.1%を下回っていますが、奇異な点があります。日本の月間有効求職者つまり失業保険をもらっている人が164万人いるのに対し、64歳以下の失業者数は148万人に留まっています。65歳以上の失業者11万人を加えても159万人です。

そもそもの疑問は、ハローワークに職探し(実際は失業保険を申請)に行っている人より失業者が少ないこと自体が不可解ですが、ハローワークに行かずに職を探している人、失業保険をもらっていない失業者が全くいないというのは、いかにも不自然です。

ちなみに、米国では失業者が失業保険受給者の3倍以上います。日本は失業者の把握が十分できていない可能性があります。

Next: 実際の失業率は5~7%? 日本の数字は不自然に低い

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