アベノミクスの継続は不可欠
まだこのようにデフレ色が濃い状況ですから、アベノミクスの継続は不可欠です。アベノミクスをしたからこうなっているのだという論調も見かけますが、そうではなくて、アベノミクスでデフレからの脱却が始まりかけているのです。
新卒の採用などはここ数年で見違えるように良くなってきていますし、20代・30代の雇用も好転してきています。
しかし、あまりにも誤った経済政策、緊縮・リストラ路線の期間が長かったために、アベノミクスを何年も続けないとなかなか元には戻りません。
とくに40代・50代の雇用や仕事は良くなっているようには思えませんし、中小企業・零細企業への融資や仕事の需要も低調な状態であって、東京オリンピック効果も全く見えません。
さらに、この40代・50代の低所得化というのが、その子ども世代の授業料が払えないなどで貧困化とリンクしています。
不況期に緊縮・リストラ路線をとるとまさに逆効果なわけですが、これがあたり前のように、バブル崩壊後の日本で実施されてきました。
アメリカやヨーロッパ、中国などは、このような緊縮・リストラ路線はとっていません。
そして、アベノミクスでようやくデフレ脱却がはかられているのですが、ここにきて、森友問題と絡めて、デフレ路線に戻そうとする内外の勢力の動きも顕在化しています。
世界的に低すぎる「日本のインフレ率」
IMFの統計では、各国のインフレ率は次のようになっています。
日本:2016年がマイナス0.11%、2017年がプラス0.37%
アメリカ:2016年がプラス1.28%、2017年がプラス2.11%
ドイツ:2016年がプラス0.38%、2017年が1.56%
英国:2016年がプラス0.66%、2017年が2.63%
2017年の数字を多い順に並べてみますと、次のとおりです。
英国(+2.63%)
アメリカ(+2.11%)
ドイツ(+1.56%)
日本(+0.37%)
これを見てわかるとおり、日本のインフレ率は異常な低さです。東京の現状を見る限り、このインフレ率は納得の数字です。
まあ、とても、日本のインフレ率が上がったり、円安がどんどん進むような状況ではないということです。これは、日銀がよく言う「デフレマインド」ではなく、実際の「デフレ」なのです。
国民は「マインド」でカネを使わないのではなくて、日本の低所得化と貧困化で「実際」に使えないのです。