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その株、いつ買う? 銘柄分析の重要性を5年で株価2.8倍の「花王」で理解する=山田健彦

事例:花王<4452>の場合

トイレタリー国内首位のメーカーで、洗濯用洗剤アタックが有名ですが、広告宣伝ではニベアやビオレ等のブランド名を前面に出し、最近は意識して「花王」という名前を出さないようにしているようです。

業績はあまり景気動向に左右されないディフェンシブ銘柄の色彩が強い銘柄です。同社は28年間連続増配を実施しており、連続増配記録日本一の企業です(現在も更新中)。

過去5年間の株価の推移をみると、2013年8月には約2,800円台で、直近は約8,000円。株価は2.8倍になっています。

2013年12月期の業績は、
売上:1兆3,152億1,700万円
営業利益:1,246億5,600万円
営業利益率:9.5%

2017年12月期の業績は、
売上:1兆4,894億2,100万円
営業利益:2,047億9,100万円
営業利益率:13.9%

と、売上は13%、営業利益は64%も伸びています。

今年12月の予想売上高と予想営業利益は、それぞれ対前年度比で3.4%と5%の伸びを見込んでおり(会社側発表数値)、時価総額が3兆8千億円近い大規模な会社の割には比較的高い成長率を見込んでいます。

ちなみにROEは実績値ベースで18.2%、会社四季報の今期予想利益ベースでは18.8%と高いリターンを誇っています。

いつ買うのがベストだったのか?

では、過去5年の間で、花王の株を購入するのに最も良いタイミングはどこだったのでしょうか?

花王<4452> 月足(SBI証券提供)

花王<4452> 月足(SBI証券提供)

上記のように過去5年間の間での最安値は2013年8月の約2,800円台のところでした。そこから月足でチャートを見ると2016年1月(約6,400円前後)から同年末まで(約5,000円前後)の1年間を除き一貫して株価は右肩上がりです。

チャート的には2013年8月の約2,800円台の所で買い出動していれば良かった、ということになりますが、それはほぼ4年半以上経った今だから言えることで、その時点ではそこがベストタイミングだとは判断がつきません。

ここで、会社四季報を見てみますと、花王の高値平均PERは28.5、安値平均PERは20.1と出ています。

過去5年間でPER(予想ベース)が低い時とその時の株価を見てみると、

<2013年6月13日>
PER:20.1
株価:2,913円

<2014年2月6日>
PER:21.2
株価:3,100円

<2016年2月12日>
PER:22.5
株価:5,384円

<2017年2月17日>
PER:20.3
株価:5,696円

となっています。このうち2016年2月12日の時点を除き、株価はそのあたりから上昇に転じています。

そのような点から見ると、やはり会社四季報の情報どおり、花王の株はPERが20倍くらいまで下がったところが買い時ということが言えるようです。

ちなみに高値平均PERの28.5に近い直近の日付は2017年12月上旬でそこから3ヶ月位の間は株価は7,600~7,900円台の高値圏での揉み合いとなっています。

考え方としては、「いま花王の株を買いたい」とするとPER的には高値圏なので、チャートの形を重視して短期勝負を挑むということになります。

Next: 「配当利回り」でも判断できる花王の売買タイミング

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