景気後退の兆候が現れるのは、今年の末か、来年の年央か
では、今回もまた同じ過ちを繰り返すのでしょうか。
現状を整理してみますと、現在の長短金利は以下のようになっています。
・10年債金利:3%程度
・2年債金利:2.5%程度
・長短金利差:+0.5%程度
一方で、例えば、FRBが利上げモードに入る前の2015年末時点では、どうだったのでしょう。
・10年債金利:2.2%程度
・2年債金利:0.9%程度
・長短金利差:+1.3%程度
上記のようにFRBが利上げに踏み切って以降、米国の長短金利差は1.3%から0.5%に縮小しています。
さらにFRBは年内あと2回から3回利上げをする見通しですので、政策金利は年内0.5%~0.75%程度上昇する可能性が高そうです。
もしかしたら長短金利は、今年の末から来年の年央当たりのどこかで逆転する可能性もあると思います。
割高感が消えた「米国株」
さて、ここからは相場のお話しです。
昨年絶好調だったアメリカ株は今年2月に大きく下げ、それ以降ボックス圏に入ったようにも見えますが、株価はすでに来年以降の景気停滞を織り込みつつあるのかもしれません。
景気停滞の兆候の1つとして市場が意識しているのは、上記のような長短金利の接近だと思います。
ただし2月の株価の急落と、その以降も続くアメリカ企業の業績拡大の結果、一時20倍以上もあった予想PERも、足元では適正値といわれる16倍程度まで下げてきました。つまり、現在のアメリカ株に、昨年央から今年年初にかけて見られた割高感はありません。
では、今後アメリカ株はどう動くのでしょうか。
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