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中韓に周回遅れ。日本はプライドを捨てQR決済でキャッシュレス化を目指せ=岩田昭男

セキュリティ面でも大きな強み

さらにセキュリティ面でも十分な対応がなされています。

QRコード決済は支払い時に「本人のデバイス」と「パスワード」の両方が必須なので、現金の盗難やクレジットカードを使用する際の暗証番号のスキミングなどを事前に防ぐことができます。

実際に使ってみると、スマホの機種を問わず、どれでもアプリをダウンロードすれば使えるというのは便利です。

また、支払い方法もプリペイドだけではなく、銀行口座引き落としクレジットカード払いも選べるのも利点です。

そうして考えると、非接触IC決済よりも小回りのきいた優れた規格ということができるのではないでしょうか。IC型の欠点をひとつひとつ潰していって作られた規格のようにも思えます。

もっともトクをするのは「お店」側

しかし、本当の凄さは、利用者に対してというより、店舗の担当者が実感するのではないでしょうか。

QRコード決済は、市販のタブレットなどで簡単に導入が可能なため、導入コストがあまりかかりません。

さらに、加盟店の手数料も非接触IC決済では2~3%かかりますが、こちらは加盟店手数料はもっと低いかゼロです。

こうした経済的利点があるために、小規模な事業者等ではQRコード決済への関心が急速に高まっています。一部では、この決済の方式は初めて「手数料なし」を打ち出した画期的なビジネスモデルだと言われています。

楽天、LINE、Appleほか次々と参入している

そのためか、今や Origami Pay(オリガミペイ)、LlNE Payをはじめ、楽天ペイ、ドコモ、Appleなど、すでに非接触IC型の決済事業を展開しているところも含めてこぞって参加を始めました。

その背景として、「費用をかけずに自前の経済圏を簡単に作れる」と大手業者が考えたからと言われています。店側にとって、これは思いもかけない追い風でしょう。

これまでの非接触IC決済では、初期費用10万円くらいはかかりました。手数料も3%かかります。

それらのものがすべていらなくなる可能性もあり、そうなればいくらでも導入ができるのです。

これはもう利用しない手はないというので、いろいろな店舗が加入を考え始めています。キャッシュレス化の促進には、QR方式が断然有効なのかもしれません。

Next: 日本がぜひ手本にしたい、中国「アリペイ」の消費者第一主義

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