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一枚岩が崩れた政府と日銀。「2%目標」の食い違いが生む株価急落リスク=山崎和邦

日銀の強烈な市場介入と、それを支持してきた安倍政権

ところが、出口戦略を論ずる時期ではないと言ってその是非を伸ばしている間に、世界経済や日本経済の失速が始まれば、日銀は次の景気拡大局面までまた年間6兆円ベースのETF購入を継続せざるを得なくなってくる。

日銀の政策委員会はこのETF購入策に限らず、市場の価格形成に強烈に介入する政策をとってきた。

またそれを安倍政権も与党も強く支持してきた。現在の日銀総裁と副総裁2人はその目的のために就任したとさえ言える。そのために選ばれた3人だとさえ言える。

中銀の介入を嫌う米国保守派

米国の保守派は中央銀行が経済に介入することを昔から嫌う傾向がある。リーマンショック直後は仕方がなかったとはいえ、大規模な介入の継続は経済の活力を減殺させるという意識が米国の保守派には強い。

それは連綿と受け継がれた一種のイデオロギーである。FRBがETFを購入するということは、共和党員には夢にも考えられない方針であろう。

FRBのパウエル議長は、FRBのリーマンショック後の緊急措置から始まった人工的な低金利政策によって、バランスシートは歴史的な平衡を失った状態であると批判した。「FRBの仕事にないことを行って、道を外すべきではない」と念を押した。

2月27日の下院金融委員会の共和党委員会で共和党の委員長が「金利は市場で決定され、市場機能を通して効率的に決まる道のりを期待している」と釘を刺した。これはFRBのパウエル議長に確認を迫った言葉である。

長引く「超緩和」で現れた副作用

「物価2%上昇の達成よりも前に、大規模な金融緩和の修正に動く日銀」、市場ではこういう憶測がなされている。

長引く超緩和でその副作用が取り沙汰されている。特に目に見える形で出ているのは、銀行業界の苦境である。地銀の半数以上が赤字に陥る。現行の緩和効果と副作用のバランスが必要になってくる。

また、米欧に遅れた「出口戦略」は、日銀だけが一人で取り残される恐れがある。景気が「拡大期」にある間に、少しでも将来の景気復調政策のために金利を下げるノリシロをつくっておかねばならない。今の状態では、景気が失速しても金利を下げて景気浮揚させる余地がない。「2%」が見通せない中で、早期達成に固執するままでは副作用とのバランスがとれなくなる。

繰り返すが、最も大事なのは近い将来に景気が軟化して景気浮揚策が必要になった場合に、今のままでは金融政策を打つ手がない。それのノリシロをつくっておかねばならない。

米FRBが出口戦略を急いだのは、黄金の60年代の108ヶ月とITバブル時代の120ヶ月とを超えた史上最長の好景気を迎え、これが反転した場合の金利政策のノリシロをつくるためである。

言うまでもなく「出口戦略」は即座に株式下落につながる

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