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「おこづかい」をあげると貧乏に? 子どもを成功者に育てる金銭教育の極意=午堂登紀雄

お金の使い方で叱ってはいけない

もうひとつ大事なことがあります。それは、仮に無駄遣いをしたり無計画な使い方をして次のおこづかいの日までになくなっても、決して叱らないことです。

叱られれば、子どもは親の顔を見て、親に気に入られるようなお金の使い方を意識してしまいます。それは子どもの自由な発想を阻害します。

親が無駄だと思っても、子どもには重要なこともある。無駄使いをすれば子どもなりに後悔するし、心も痛む。親があれこれ先回りするのではなく、子どもにどんどんお金の失敗を経験させることです。

子どものうちは失敗といっても大した金額ではありませんが、大人になってからのお金の失敗はしんどいですから。

また、特に高校生くらいになると、少ないおこづかいでは「親は自分のことを信用していない」と感じてしまいます。

そのため、子どもの価値観や心の成熟度合いに応じて金額をアップするとか、親が一方的に金額を決めるのではなく、子どもの言い分をよく聞き、相談して決めるのが双方ともに納得できるでしょう。

親には遠慮せず何でも話せる」というのは親子の信頼関係のベースです。

計画性を育むには、おこづかいの時間軸を長くしていく

おこづかい制を取り入れるなら、ある程度の期間の分をまとめて渡す方が、計画性が養えます。

社会に出れば人生は長く、多くの人は50年以上続きます。その長い時間軸の中でお金に苦労しないためには、長期の計画性が必要です。

たとえば消費者金融に駆け込む人は、給料日前にお金が尽きるか、給料では足りないということですから、その時点で1か月という期間すら計画的に行動できないということ。それではゆとりをもった生活にはなりませんし、老後すらままならないかもしれません。

とはいえ、これほど消費者金融のTVCMや広告があふれている、つまり広告宣伝費にお金が使えるほど儲かっているということは、それだけ無計画な人が意外に多いということでしょう。

大人でさえそうですから、特に小さな子どもの時間軸はとても短いものです。

そこでたとえば、最初は1週間ごとのおこづかいだったとしても、本人の管理能力の成長に合わせ、1か月分、半年分とし、最終的には1年分を前払いし、追加補填はなし、どうしても足りなくなったら親からの借金ということで利息も取る、などという方法も考えられます。

そういったルールもやはり、子どもと話し合いながら、親子双方に納得できるように修正していきましょう。

高校1年生に突然「1000万円」を渡すという金銭教育

私が以前聞いた経営者の話です。

彼が高校になったとき、親から突然1000万円を渡され、「これ以降は一切のお金の援助はしないから、自分なりによく考えて使いなさい」と告げられたという。

彼は1週間ほど考えたのち、親に「証券口座を開設して欲しい」と言ってきた。それで株を買って運用を始め、大学の費用もその利益で賄い、海外留学までしてしまった。

その後はいったん会社に勤めるも、3年ほどで辞めて自分で会社を立ち上げ、今は経営者として頑張っているという。

もちろん子どもの個性によって適切なお金の与え方は異なりますが、こういう方法もあるのかと感心したのを覚えています。

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