金準備を増やして世界基軸通貨へ
世界基軸通貨から、究極的には世界覇権通貨を狙っている中国とロシア。その歴史的変化を見るには、良いチャートを見つけましたので紹介します。
両国が目的を達成するには、自国の金準備を増やすことが最低条件なのです。早速、以下のグラフを見てください。
中国とロシアの金準備の歴史的変化(2007年から2017年の増加トン数)
中国人民銀行は600トンから3倍の1843トンへ、ロシア中央銀行は450トンから4倍の1839トンへと大きく増やしています。
ただし、中国は、いままで金準備トン数の買い増しを発表していましたが、IMFのバスケット通貨に組み込まれて以降は発表していません。しかし、舞台裏では積極的な買い増しをしているのは間違いないでしょう。
現在の覇権通貨国である米国では、金準備はまったく増えていませんし、第三者機関による実地棚卸しをまったくしていないことから、かなりの数を貸し出しをしているのではないか?と疑われている始末です。
中央銀行金準備額(米ドル)/人口比率
左から中国、EU圏、日本、ロシア、スイス、英国、米国、カナダです。
中国は、人口1人当たり56ドルの中央銀行金準備しか保有していません。ロシアでも537ドルしか保有していません。現在の世界覇権通貨国・米国並みの1051ドル分まで増やすには、中国は約19倍に増やす必要があります。ロシアの場合は2倍に増やさねばなりません。
つまりどう考えても、中国とロシアはこれまで以上に金準備を積み増すことでしょう。