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男を不幸にする家計の管理。「妻が財布を握る」はなぜ失敗するのか?=俣野成敏

どうして家計管理はうまくいかないのか?

子供が小学校に上がろうという頃になって、「このままでは教育費も貯められない」と危機感を感じたAさんは、ある日、奥さまにこう切り出します。

小遣いを差し引いた残りをぜんぶ渡すから、それで家計をやりくりしよう。そうすれば、君が稼いだ分は、ほぼ貯蓄に充てられる」と。これを聞いた奥さまは大喜び。Aさんは、これですべてうまくいくと考えました。

ところが数ヶ月経って、Aさんがほくほく顔で「どう?もう100万円以上は貯まったんじゃない?」と奥さまに尋ねると、途端に奥さまの眉間にシワが。

何と、想定額の半分も貯まっていなかったのです。それを聞いたAさんは逆上。「お金をぜんぶ渡していたのに、ぜんぜん貯金できていないってどういうこと!?」すると奥さまも反撃。「何よ。私ひとりに家計管理を押し付けて、あなたは毎日、気楽に過ごしていただけじゃない!」と。

実は、奥さまが喜んだのは最初のうちだけでした。それまで自分のお金すらコントロールできていなかったのに、突然、倍以上のお金を手にするようになって、奥さまは家計を背負うことに対する重圧を感じるようになっていました。

そのプレッシャーがストレスとなり、反動でデパ地下食材を買う日や外食が多くなっていった、と言うのです。以前に比べて外食が多くなり、食事が豪勢になっていたことに、それまでAさんはまったく気づいていなかったのでした。

「もっとお金があれば家計はうまく回るのに」は間違い

ひょっとして、これをお読みのあなたも「ああ、もっとお金があれば」とか「お金さえあればうまくいく」と思ってはいませんでしょうか?

しかし、Aさんの事例をご覧いただければおわかりのように、人はお金だけ増えても、うまくそれを活用することができません

お金の使い道がわからず、かえってAさんの奥さまのように、無駄遣いに走ってしまうことも多いのです。

家計を管理する3つの方法

それでは、家計を管理する3つの方法についてですが、それは、

  1. 家計を1つにして、どちらか一方にお任せするパターン
  2. 必要経費を出し合うなどして、後は個別会計(財布が別々)のパターン
  3. 家計を1つにして、2人で管理するパターン

の3つです。

Aさん夫妻は、途中から(2)→(1)へと切り変えたわけですが、うまくいきませんでした。

それは、それぞれの方法の特徴について理解していなかったことや、Aさんが奥さまとよく話し合わずに決めてしまったことなどが考えられます。

ここから、各方法のメリット・デメリットについて解説していきます。

Next: 家計を任されるのは負担? どの方法も一長一短になっている

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