会社員はいずれ飽きる
現在の私が、「マネースクール」を共催しながら、「ビジネス書作家」「投資家」「2業態5店舗のビジネスオーナー」などの複数の顔を持つと知り、「まったく時間に余裕がない多忙な人に違いない」と思う方が少なくありません。
ビジネスオーナーなどは、人によっては向き不向きがあるでしょう。逆に私は「1つのことを極める」という職人肌ではありません。そのため、平社員としては突出した成績を残すことができませんでした。
通常、サラリーマンとして新卒入社し、教えられたことを一通りこなせるようになると、やがて仕事に飽きてきます。ルーティンワークとは、毎日、決められたことを決められた通りにやることですから、オリジナリティのカケラもないのは当然のことです。
飽きた後は、スピードアップをすることに力を注いだり、引き継ぎのためのマニュアルづくりなどをしますが、それもやがて飽きてしまいます。
私もルーティンワークに習熟した後は、空いた時間で資格取得や、休職して留学に行ったこともあります。確かに、これらが仕事に活きたのは事実です。それでも、資格取得や留学が、人生を劇的に変えることはありませんでした。私は、上司にそれとなく「手が空いています」アピールをしながら、自分に相応しい仕事がくるのを待ち続けました。
平社員としての生活は9年に及んだものの、会社から私の能力に見合った仕事を振られることはありませんでした。
絶好球が来たときに打ち返す準備を
結局、自分から社内ベンチャーというチャンスに飛び込んだことは、これまでにも何度かお話した通りです。
以前に在籍していた会社は、今年(2018年)創業100周年を迎えましたが、社内ベンチャー制度を公募したのはあの1回きりでした。まさに、100年に1度のチャンスだったわけです。
こうした幸運に巡り会えることは、滅多にないでしょう。けれども、やってきた幸運を逃さない方法はあります。それは「準備しておく」ことです。
ここまでお話した通り、私の平社員としての業績に、華々しいものはありません。違いと言えば、ルーティンワークはすぐに退屈してしまったので、それ以外の分野での勉強をしていたことくらいです。
おそらく、多くのサラリーマンの方は、どちらかというと現状に手一杯で「新しい仕事(刺激)はいらない」、それでいて「(つまらない)目の前の仕事以外に、いかに人生の楽しみを見つけるか?」に意識が向いていることが多いのではないでしょうか。
ですから、これをお読みの方は以後、「千載一遇のチャンスがやってきた時に、いかにそれをモノにするか?」ということのほうに意識を向けることをオススメします。
チャンスは余裕のあるところにしかやってきません。千載一遇のチャンスが巡ってきたとしても、こちらが手一杯だと、受け取ることができずに素通りしてしまいます。
大事なのは、まずは「以後のことを考える余裕を持つ」ことです。これが未来の楽しみを引き寄せる第一歩となります。
「どうしたら余裕が持てるのか?」については、『プロフェッショナルサラリーマン』(著:俣野成敏/刊:小学館)をどうぞ!