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Googleはなぜ強いのか? 独禁法違反「罰金5000億円」が気にならない成長力=シバタナオキ

【余談】「独占禁止」の考え方

少し余談になりますが、独占禁止法の考え方に関して、誤解をしている方が多いので、簡単に書いておきたいと思います(ちなみに私は法律の専門家ではありませんので、細かい点は専門家の方にご確認ください)。

よくある誤解というのは、ある会社が特定のマーケットで独占することそのものが害である、という誤解です。

例えば、Googleが検索エンジン市場でかなり独占に近い地位を占めていたり、スマートフォンのオペレーティングシステム市場でも同じように独占に近い地位を占めている、ということ自体が、問題なわけではありません。

少なくても、それらの独占的な地位を築くにあたって、市場でフェアな競争を行った上で勝ったのであれば、それ自体が問題にされることは無いわけです。

今回問題になっているのは、ある分野で築いた独占的な地位を利用して、「周辺分野で競争を排除しようとする」行為の方です。

2017年の例で言えば、検索エンジンで独占的な地位にあるGoogleが、ショッピング、eコマースで自社に特別に有利な操作をしたことが問題にされていますし、2018年の例で言えば、スマホのOS市場で独占的な地位にあるAndroidを利用して、ブラウザのChromeやメールソフトのGmailを、強制的にユーザーに利用するように仕向けたことが問題視されているわけです。

古くから、マイクロソフトのWindowsとInternet Explorerのような思案もありましたし、Googleもこういった体には十分気をつけていた筈ですが、もうこれだけマーケットシェアが大きくなると、避けられない問題なのかもしれません。

Googleの設備投資額が前年比約2倍の$5.5Bへ

余談はこのぐらいにして、話を本題に戻します。Googleの収益力やその成長率は非の打ち所がない、という話を冒頭で書きましたが、今回の決算で明らかになった一番の驚きとしては、Googleの設備投資額が大きく増えているという点です。

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この表の中の「Purchases of property and equipment」という項目を見ていただければ分かる通り、2017年の第2四半期は$2.8B(約2,800億円)だった設備投資額が、2018年の第2四半期においては$5.5B(約5,500億円)まで、約2倍に増えています。

Google parent Alphabet spent a whopping $5.5 billion on capital expenditures in the most recent quarter, nearly doubling that output from a year ago as the company continues to expand its cloud business.

この記事に記載されている通り、主な設備投資の増加分は、Google Cloudのインフラ投資に当てられています。
※参考:Alphabet spent ~$5.5B on capital expenditures in Q2, up from ~$2.8B a year ago, as the company continues to expand its cloud business

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この地図をご覧いただければ分かる通り、Google Cloudは非常に早いペースでデータセンターを拡張しており、Amazon AWSやMicrosoft Azureとの競争に追いつきつつあるとも言えるのではないでしょうか。

Next: クラウド事業が急成長。対するAmazonの設備投資額は?

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