政治家の年金未納や不適切な記帳問題で露呈する、年金制度の「本質」
ところで、この話には重要なことが出てきます。
それは『将来みんなに支払う時に金が払えなくなったら賦課式にしてしまえばいいのだから……』というくだりです。
年金には「積立式」(年金をもらう本人が積み立てて、積み立てた人が受け取る)というのと、「賦課式」(若い人が老人の年金を負担する)という二つの方式があります。インフレがあるので、現実には「賦課式」しか成り立たないのですが、当時の国民は「若い人が払え」と言っても納得しないので、「将来、年金を受け取る人が払う」という制度にして当面をごまかし、実際には価値がなくなるので、年金制度を一度、破綻させるしかないという考えでした。
現実にもそうなって、1990年代に「社会保険庁破綻」が起こり、メディアがさんざん騒ぎ「年金機構」になって新しく発足しました。制度自体も、支給年齢が65歳になったり、介護保険を年金から天引きされたりと、無茶苦茶になったのです。
メディアでは、年金公団の放漫経営や政治家の年金未納、5000万人に及ぶ不適切な記帳などが話題になりましたが、実はそれらは「本質」を隠すための目くらましに過ぎなかったのです。
※本記事は有料メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』2018年8月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
- 今の話題を深く考える3:トランプ大統領の関税とアメリカの政策転換(8/29)
- 今の話題を深く考える2:オウム真理教死刑囚の死刑執行、死刑廃止論と弁護士(8/22)
- 今の話題を深く考える1:日大のアメフト事件と大学のスポーツ(8/15)
- 少子高齢化の危機(6)国民の合意は得られないので、個人で考えるしかない(8/8)
- 少子高齢化の危機(5)政府の言い訳に怒るか、それとも自分の幸福か?(8/1)
- 少子高齢化の危機(4)第二の人生の設計…健康編の2(7/25)
- 少子高齢化の危機(3)第二の人生の設計…健康編の1(7/18)
- 少子高齢化の危機(2)第二の人生の出現(7/11)
- 少子高齢化の危機(1)日本の少子高齢化と世界の比較(7/4)
- 前向きの話し(5)核武装せずに自衛する方法(6/27)
- 前向きの話し(4)毎日のゴミ出しを楽にする方法(6/20)
- 前向きの話し(3)温暖化に使う税金を節約する方法(6/13)
- 前向きの話し(2)官僚がウソをつかない方法(6/6)
- 前向きの話し(1)日本が独立する努力。(5/30)
- 複雑な問題を簡単に切る(6)男系男子天皇の問題(5/23)
- 複雑な問題を簡単に切る(5)結婚できない問題(5/16)
- 複雑な問題を簡単に切る(4)禁煙と副流煙の問題(5/9)
- 複雑な問題を簡単に切る(3)朝鮮の平和(5/2)
『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』(2018年8月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』
[月額880円(税込) 毎週水曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。また、皆様のご質問にもお答えしますので、気軽にお尋ねください。