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節税できても損をする?確定拠出年金に潜む罠~大増税時代に備える投資の教科書=俣野成敏

確定拠出年金は、預金型であればお得か?

Q1:「Vol.19の『確定拠出年金特集』の記事を拝見。そこに『個人は確定拠出年金を利用しないほうがいい』とあったが、投資型ではなく預金型のほうであればどうか?」

【関連】「確定拠出年金は入るべきではない」というシンプルで衝撃的な結論=俣野成敏

A:確定拠出年金とは、自分で掛け金を運用する年金のことです。運用成績によって受取額が変わり、運用商品には投資信託などの投資型や、保険・定期預金といった預金型などがあります。確定拠出年金の詳しいことについては、当メルマガのバックナンバーVol.19をお読みいただければと思います。

利用する代表的なメリットとしては、「節税できる」こと、デメリットとして「長期間に渡って資金が動かせなくなる」ことなどが挙げられます。

<一概に「節税できる=お得」とは言えない>

さて。この「節税できる」というメリットですが、実際はその人の年収によって違いが出ます。

年収が高い人は、それだけ多額の税金を納めていますから、その分、節税メリットも大きくなります。反対に、もともと納めている金額が少ない人は、それだけメリットも少なくなります。

つまり、一概に「節税=お得」とは言えません。

<「預金型」で運用益を出すのが難しい2つの理由>

先に答えを述べますと、投資型よりも預金型のほうが、運用益を出すのは難しくなります。その理由は、大きく2つあります。

1つは、確定拠出年金に加入すると「手数料を取られる」ことです。投資型もリターンを出すのは難しいとは言え、それでも運用がうまくいけば、増える可能性はあります。ところが預金型の場合は、元本保証を謳う代わりに、金利が決まっています。手数料のほうが高く付けば、元本割れを起こすことがあります。

続いて2つ目の理由に、「物価上昇率が預金型の金利を上回る可能性が高い」ことが挙げられます。現在、日銀が物価を上昇させるために、異次元緩和政策を継続していることは、ご存じの通りです。現在、定期預金の金利にしろ、保険の利率にしろ、どちらも雀の涙ほどしかありません。「元本保証」「安全」という言葉に釣られてこうした商品を選んでしまうと、結局は自分の資産を目減りさせることになりかねません。

<確定拠出年金は「途中解約できない」>

現在の普通預金の金利に至っては、ほとんどゼロに近い状態ですが、それでもまだ「いつでも引き出して使うことができる」というメリットがあります。

それに比べると、確定拠出年金は、原則的に60歳になるまで引き出すことができません。たとえ途中で商品を解約したとしても、お金を引き出すことはできず、そこから手数料を取られ続けます。確定拠出年金を解約する裏技なども一切ありませんから、注意が必要です。

これがたとえば今後、何かの大きな変動をきっかけに、物価上昇が起こり、預金金利も上がるような事態になれば、確定拠出年金の利回りも上がります。しかしその時は、それ以外の金融商品の利回りはもっと上がっているはずです。

<預金型を選択するメリットはほとんどない>

いずれにしましても、確定拠出年金で預金型を選択することにあまりメリットはない、ということをご認識いただきたいと思います。

大事なのは、まずは「節税できるから得するに違いない」という思い込みを捨てることです。販売する側にとっては、この言葉が儲けのタネになっていることに、利用者はもっと注意を払うべきでしょう。

投資商品を比較する時は、「お得そうな商品が、本当にお得なのかどうか?」を、冷静に計算してみることをオススメいたします。

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