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毎月勤労統計のズル報道が、市場に影響ゼロ。日本の経済指標に相場が反応しないワケ=高梨彰

日本で重視されがちな「総合的な判断」は不明確でわかりにくい

日本ではとかく「総合的な判断」が重視されがちです。しかも「総合的」とは何を指すのか、不明確なことが多いものです。

金融政策に限らず、日本の歴史がそんな性格というのもありそうです。「忖度(そんたく)」という言葉が一気に市民権を得て一般的になりつつことをみても明らかです。

ただ、統計分析に携わった経験がある者として、この事実は残念でもあります。なぜって、日本の官公庁や日銀等が公表するデータ、非常に見やすくて頭に入りやすいんです。

恐らく、作成担当の「現場の」方々も丹念に作り込んでいるのだろうと容易に推察されます。

日米比較で例を挙げれば、日銀の資金循環統計なんかは比べやすいものです。英語ではFlow of Fundsと言います。金融機関、民間事業法人、政府、個人、海外など各主体の資産・負債を、現在の値(ストック)と前期からの変動(フロー)として示したものです。
市場関係者でも見比べたことが無い人が多いはずでして、是非違いをご覧頂ければと思います。

そんなこんなで、「総合的判断」が金融・財政政策のそこかしこで優先され過ぎたことが、日本市場の分かり難さにも繋がっている感じがします。

中国のデータに対する不信感が強いと言いながらも、市場は中国の経済指標に対してはある程度の反応を示します。

中国市場が若いというのもあるでしょうけど、データの絶対値よりも相対的な強さ・弱さに対して、市場も中国共産党もそれなりに素直な対応をすることも、データの反応に現れているのではないでしょうか。

アベノミクス批判をする人も、データに沿った論をもっと展開すれば互いに有益なんですけど…。

<今回のまとめ>

・統計の作成方法にズルがあったとして、各方面から批判
・でも、市場は反応せず
・データに素直な金融・財政政策運営がされていないことの証左とも

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2019年1月配信分
  • 20190118 #0441 毎月勤労統計がウソだったとしても(1/18)
  • 20190117 #0440 原油価格下落への満足感が続く限り(1/17)
  • 20190116 #0439 政治の膠着、焦れた買戻しを呼ぶ(1/16)
  • 20190115 #0438 今年、国債暴「騰」が気になります(1/15)
  • 20190111 #0437 海鮮丼にはなれない日本株(1/11)
  • 20190110 #0436 トランプの「お行儀」とFedの利上げ路線(1/10)
  • 20190109 #0435 米中楽観・景気慎重、昨年とは逆の心理(1/9)
  • 20190108 #0434 ビットコインとエスペラント語(1/8)
  • 20190107 #0433 柔軟という名の行き当たりばったり(1/7)
  • 20190104 #0432 原油安、喜ぶトランプ、下げる株価(1/4)

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【関連】SQに向けて警戒感が増す日本市場、この週末は仕込みどころとなりそうか?=高梨彰

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2018年12月配信分
  • 20181228 #0431 AIとリスク管理と乱高下(12/28)
  • 20181227 #0430 値上がりしたらしたで…(12/27)
  • 20181227 #0429 作文も難しい相場(12/26)
  • 20181225 #0428 二百三高地と化す市場(12/25)
  • 20181221 #0427 株安続くと、「借金返して」増える(12/21)
  • 20181220 #0426 パウエル議長、外野の声は気にしない(12/20)
  • 20181219 #0425 グリーンスパンの金言(12/19)
  • 20181218 #0424 パッシブ運用のアクティブな動き(12/18)
  • 20181217 #0423 国破れて山河在り(12/17)
  • 20181214 #0422 量的緩和終了、量がなくなりましたから(12/14)
  • 20181213 #0421 相場の風は収まりつつ(12/13)
  • 20181212 #0420 週末、警戒感は一服するので(12/12)
  • 20181211 #0419 節操のないメディア、節操のない相場(12/11)
  • 20181210 #0418 「国語の答えは一つ」(12/10)
  • 20181207 #0417 「うわっ、へいせい…」に通じるFedの感覚(12/7)
  • 20181206 #0416 落ち着かないまま年末へ(12/6)
  • 20181205 #0415 米国債の理屈っぽさは筋金入り(12/5)
  • 20181204 #0414 地味に「逆イールド」(12/4)
  • 20181203 #0413 良いとこ取り(12/3)

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2018年11月配信分
  • 米中、そして日の存在感(11/30)
  • パウエル議長の腐心(11/29)
  • 『じみへん』な米中の駆け引き(11/28)
  • 話題が多過ぎ、株も債券も買戻し(11/27)
  • 日銀の株買いが神出鬼没だと…(11/26)
  • マネロンメール(11/22)
  • 株安でも米国債が買われないんです(11/21)
  • 「昔への回帰」への値踏みが始まる(11/20)
  • 株式市場、西高東低の気圧配置(11/19)
  • コメントと心理との乖離が気になりますが(11/16)
  • 米下院、金融危機の呼び水となり得る存在に(11/15)
  • 埼玉県民の日でも相場は動いています(11/14)
  • 米国株は2%下落、なのに日本株は3%…(11/13)
  • 原油2割下落、省エネは何処に(11/12)
  • モデスト・モデレート・ロウバスト(11/9)
  • カネ余りと財政悪化、いい勝負(11/8)
  • 予想がアテにならないならば(11/7)
  • ニュースアプリが怖くなりました(11/6)
  • 中間選挙の結果をみるよりも(11/5)
  • 街はクリスマス、米経済には陰り(11/2)
  • 日銀「下振れリスク」、国債「暴騰」リスク…(11/1)

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2018年10月配信分
  • トランプが株安をツイート(10/31)
  • 「追証を解消する方法」が届きました(10/30)
  • 投信販売強化の記事、銀行株買いの基準にも(10/29)
  • 「もっと」がしぼむ(10/26)
  • 「怖さ」を考えてみます(10/25)
  • 「〇×ショック」が出て来ない(10/24)
  • トランプの都知事化(10/23)
  • 海外観光客が示す円安基調(10/22)
  • 暗示に掛かり難い相場(10/19)
  • 恒常的なFedと市場との乖離(10/18)
  • 半値・61.8%戻しが飛び交う買戻し(10/17)
  • ロイター記事で気付く自然な相場への回帰(10/16)
  • ニヒルな日本金融市場(10/15)
  • 恐怖の源が見えてきた(10/12)
  • 米金利上昇が株下落に繋がり(10/11)
  • 「株と為替」だけじゃなく(10/10)
  • 賑わうところ、割を食うところ(10/9)
  • 決戦は金曜日(10/5)
  • 「久しぶり」の金利水準と市場の落ち着き(10/4)
  • 「10月がピーク」を示唆するあれこれ(10/3)
  • 市況における枕詞(10/2)
  • 二国間交渉発、株高行き(10/1)

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2018年9月配信分
  • 安倍総裁「圧勝」による「疑似」踏み上げへの期待(9/20)
  • 米国債の落ち着きに視点は移る(9/19)
  • 気が付けば踏み上げ(9/18)
  • 日経平均、「上抜けするなら今日でしょ」(9/14)
  • 新型iPhoneに思うこと(9/13)
  • 横綱の座が危うくみえる日銀(9/12)
  • 買って相場が上がったのに損が出る(9/11)
  • 早合点や希望的観測(9/10)
  • 「何時でもカツアゲ」対象の日本(9/7)
  • ご無事を願います(9/6)
  • 「強い」米経済、悪影響は「待つ」(9/5)
  • たまには算数でも(9/4)
  • 「やっちまった」と認めること(9/3)

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2018年8月配信分
  • 9月、一旦深呼吸(8/31)
  • トランプ発言に右往左往するよりも(8/30)
  • 大阪、魅力向上中(8/29)
  • 海外頼みとは言いたくないものの(8/28)
  • パウエル議長による、ルール変更のすすめ(8/27)
  • 「10周年」が増えて来る季節(8/24)
  • ビットコインETF、却下されました(8/23)
  • パウエル講演気になるものの(8/22)
  • 米石油、代替手段に埋蔵金(8/21)
  • イナゴばかりじゃ…(8/20)
  • ニジマスでもサーモン、50兆円でも80兆円(8/17)
  • 日銀は前場には動かないのでしょうか(8/16)
  • 情熱の薔薇を咲かせるには(8/15)
  • トルコ問題の調査でお困りの方に(8/14)
  • 日米通商協議というオバケ(8/13)
  • スタンドの涙踊りと旧態依然とした企業(8/10)
  • 何言っても合っている日本経済(8/9)
  • 米国債、15日の償還・利払い前に…(8/8)
  • 金価格高騰の国もありますが(8/7)
  • サマータイム、医療関連株でも物色しますか(8/6)
  • 突飛さだけではない、政治のリスク(8/3)
  • 不安な割に損が拡大しない「坊や」たち(8/2)
  • 「いいひと。」ネイサン(8/1)

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2018年7月配信分
・「曖昧過ぎる」日銀(7/31)
・「お客様は神様です」という弱点(7/30)
・第三の矢「ガイアツ」(7/27)
・FANGに振り回されるだけ(7/26)
・朝三暮四(7/25)
・「金利上げちゃダメ」により金利上昇(7/24)
・「黒田タンカー」(7/23)
・政治の緊張感欠如が生む酷い相場(7/20)
・官製相場の限界をみているのかも(7/19)
・貿易戦争でも利上げは続く(7/18)
・錯覚してしまいます(7/17)
・米国、服はお安く(7/13)
・「識者」と市場のズレ(7/12)
・過熱感とトランプ(7/11)
・買戻し一巡のサイン(7/10)
・自律反発でしょうか(7/9)
・原油高懸念が各方面から(7/6)
・「売れる投信は、売りやすいから」(7/5)
・6日までは我慢でしょうか(7/4)
・損切りを遅らせるだけ、日銀の株ETF買い(7/3)
・短観、慎重なのも仕方ないけど(7/2)
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2018年6月配信分
・もう梅雨明け(6/29)
・コスト転嫁の可否と国のB/S(6/28)
・下がり難くなる変動率(6/27)
・あみんじゃないのよハーレーは(6/26)
・日銀審議委員さま、銀行員研修を勧めます(6/25)
・心理悪化よりカネ余り(6/22)
・NYダウに制裁?(6/21)
・銀行強盗と仮想通貨のハッキング(6/20)
・想定通りのシナリオ、想定外の値動き(6/19)
・時間切れ、かも(6/18)
・ECB、市場に「僕は嫌だ」とは言わせない(6/15)
・Fedとドルと30年債(6/14)
・解像度の進歩に驚く米朝首脳会談(6/13)
・米朝首脳会談、何に期待しますか(6/12)
・何処でも元気にツイートです(6/11)
・投資家、債券知るべし(6/8)
・「骨太の方針」と国債(6/7)
・相場も梅雨入り(6/6)
・いつになったら海外投資家は(6/5)
・トランプ好みのデータと市場(6/4)
・豊洲の画像と売り仕掛け(6/1)
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2018年5月配信分
・芸能人とIT企業社長のゴシップと市場(5/31)
・100万円の2年定期、いきなり「97万円でーす」(5/30)
・歴史は長めに(5/29)
・新興国、インフレ・財政・政治の安定(5/28)
・「金妻」と『バブルへGO』(5/25)
・関学QBに#metoo(5/24)
・ビットコインとポテト(5/23)
・株の参考に2組の金利(5/22)
・人民日報英語版の勧め(5/21)
・「マルキュー」、どう発音しますか(5/18)
・同じ相場でも異なる表現(5/17)
・GDP、どうやって好景気を実感しろと(5/16)
・地政学リスクが株価を支える(5/15)
・北朝鮮の潜在的な力って…(5/14)
・久しぶりの(5/11)
・安倍さん三選、株買いですか(5/10)
・ヘッジファンド盛り返し(5/9)
・ガソリンスタンドの看板を気にする(5/8)
・誤解に対する誤解(5/7)
・米製造業に陰り(5/2)
・瀬戸内捕物帳に思う(5/1)
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2018年4月配信分
・求む「嘘のプロ」(4/27)
・新入社員の傾向今昔(4/26)
・「鉄人」不在(4/25)
・ドル買戻し「もういっかい」(4/24)
・ムーンウォークな動き(4/23)
・CPIで「営業トーク」(4/20)
・原油は買われ、逆イールドが視野に(4/19)
・バーバラさんからの贈り物(4/18)
・マラソンも政治経済も市場も(4/17)
・等加速度運動に置いてけぼり(4/16)
・ロシアにケチ付け、ロシアを利する(4/13)
・チョッピーな動きに評価損増えやすく(4/12)
・政治の停滞が市場価格に反映されつつ(4/11)
・習近平に見せつけられる(4/10)
・目先の値動き、大人しくなるのでは(4/9)
・トランプと半沢直樹との違い(4/6)
・報復関税と豚さん(4/5)
・強で売って甘で買う(4/4)
・株安と支持率上昇(4/3)
・インバウンド需要も一極集中(4/2)
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2018年3月配信分
・転換点は来月半ば以降でしょうか(3/30)
・スローパンクチャーな昨日今日(3/29)
・検索しても日本が出てきません(3/28)
・証人喚問、警戒すべきは…(3/27)
・アフリカンシンフォニーも良いけれど(3/26)
・「理論値」には大らかに(3/23)
・FOMCへの複雑な反応(3/22)
・金利、3つの要素(3/20)
・1,000兆円の根雪(3/19)
・アベさんのいない世界(3/16)
・財務省の強かな管理、なのに…(3/15)
・クビ差アタマ差、爪噛む相場(3/14)
・扱いが小さい日本(3/13)
・森友問題とアベノミクスの因果関係(3/12)
・アベクロよりアバクロ(3/9)
・処分売り、峠を越したのでは(3/8)
・ニュースよりチャート(3/7)
・切らされるばかり(3/6)
・円高エイリアン(3/5)
・決算対策の季節(3/2)
・黒田総裁のやる気度(3/1)
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高梨彰『しん・古今東西』』(2019年1月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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