お金をどう使おうが監視されない
ですから、大きく資産を築いだ企業の創業者らは、慈善団体を設立して巨額の寄付を行うのです。
その慈善団体は、どのような支出を行い、資金の運用委託を行っても、上場企業のようには監視されません。
また、実際の慈善活動も行っているので、社会からは好意的にみられます。
ところで、こうした慈善団体への寄付は、企業にカネを払った客の側に対して行われることもしばしばです。
アメリカの航空会社によっては、キャビンアテンダントが笑顔で寄付を募る光景もみられます。
本来、お客は航空会社にお金を支払ったわけですから、航空会社が寄付をすればよいわけです。しかし、客から代金を受け取って、さらに寄付を求めるということが普通に行われています。
航空会社の場合、寄付先はそれほど私的な慈善団体ではないでしょうが、はたして、その団体の幹部はどうなっているのか…?
「日本人は寄付をしない」と卑下する必要なし
ですから、日本人は寄付をあまりしないと、卑下する必要はありません。
おそらくアメリカでも、全く関係のない慈善団体への寄付は、表向きに比べて、かなり少ないはずです。
ですから、アメリカでは、自分が慈善活動をしてカネを集める側になるのが、事実上「有利」というわけです。
募金箱を持ってお金を集めてまわる側になるのが、ちゃっかりしているということです。
もちろん、高尚な活動は一部であれ行われていますから、全社会でのそのボリュームは大きくなります。それは、それで、良いのでしょう。
しかし、「日本人は寄付しない」という話を真に受けると、ビジネスでお金を支払い、寄付でもお金を支払うという「二重取り」に遭うことになります。
ですから、対応としては、これは奥さんや子供にカネが渡る仕組みだな、とわかったうえで、少額のお付き合いというのが正しいでしょう。
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