ファンの声から始まったEC事業が軌道に乗り、売上9割
安宅: そのあと、シリコンバレーの500 Startupsにお呼ばれしてバッチプログラムに参加し、そこでシバタさんとも知り合ったんですよね。出資も受けました。フェイスブックでファンは集まったけど、フェイスブック上ではバナー広告とかは貼れないので、何か独自のビジネスモデルを作って行かないと運営成り立たないよねっていうことで、自社サイト、自社アプリとか作って、トライしていくというのが数年続きました。
シバタ: 自社サイトっていうのは、今やってらっしゃるeコマースですか?
安宅: そうです。そこで、いろいろなサービスを立ち上げました。デヴィアントアート(deviantART)的なイラスト投稿型のCGMだったり、写真画像が漫画風になるオタクカメラというものも立ち上げました。
シバタ: オタクカメラ覚えています。
安宅: 世界では500万ダウンロードくらいいっているんです。一瞬、いけるかなと思いつつ、一発アプリだったみたいな(笑)
シバタ: マネタイズが難しそうですけどね。
安宅: でしたね。そんな中、フェイスブック上のファンからすごく多かったのが、日本の秋葉原などで売っているフィギュアやぬいぐるみ、アニメ系のグッズを買いたいという声でした。だったらということで、秋葉原でひとつずつ商品を仕入れてきて実際売ってみるのを繰り返して。これがサクサク売れていき、リピーターもついてきたんですね。
そこで本格的にサイトを作っていって、しっかり越境eコマースをやっていこうと決めるんです。そうしたら、ちょうど日本のアニメ、漫画、ゲームを世界に発信する会社を支援するための官民ファンド、クールジャパンファンドができました。600億円くらいのファンドが急にできて、これはもしかして僕らのためにできたんじゃないかって(笑)。
シバタ: その通りだと思いますよ。
安宅: 当時としては大型の15億円を調達することになりました。eコマースサイトの開発や倉庫を持ち、物流システムを自社で開発したりとか。営業、マーケ、商品開発、翻訳、撮影や商品開発、カスタマーサポートもすべて自前で持ち、一気通貫で行える越境eコマースの体制を整えてきました。