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現在の日経平均は理論株価2万3,119円。市場が落ち着けば、これから目指す可能性も(1/30)=日暮昭

2018年12月に極端なリスクオン状態だった日経平均ですが、今年に入って落ち着きを取り戻してきました。このまま落ち着けば理論株価へ向かう可能性もありそうです。(『資産運用のブティック街』日暮昭)

※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。

プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

日経平均は下限割れから脱出の気配、理論株価への回帰も

足元の理論株価は2万3,119円

2018年の株式相場は日経平均が1月と10月に27年ぶりとなる2万4,000円台を付ける一方、年末には2万円を割り込むなど荒っぽい動きを見せました。その後、本年にかけて相場はじわじわと回復していますが足取りは弱いようです。

下図は2018年初から直近の2019年1月25日までの、日経平均とファンダメンタルズに見合う水準を示す理論株価、および相場の過熱あるいは下げ過ぎのメドとなる日経平均の上限と下限を示します。

<日経平均、理論株価と日経平均の変動の上限と下限(2018.1.4 ~2019.1.25)>

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紺色の線が日経平均、青線が理論株価、赤線が日経平均の上限と下限です。各指標名の枠内の数値は直近の1月25日の値です。また、高値の2018年1月23日と10月2日を赤色枠で、底値の3月23日と12月25日の値を青色枠で記しています。

グラフから、相場変動を理論株価とそれに基づく変動の上限、下限と併せて見ることで今回の相場変動の特性を市場の構造との関係から読み取れます。

すなわち、1月と10月の高値は2万4,100円台と2万4,200円台で水準自体はほぼ変わりませんが、1月の高値は過熱領域に入っているのに対して10月の高値は理論株価をやや上回る程度で自然体の範囲と言え過熱感には程遠い位置にあります。これはこの間の理論株価(ファンダメンタルズ)が堅調に上昇基調を辿ったことで相場の土台が上昇したことによります。

一方、双方のその後の下落局面を見ると、1月から3月にかけての過熱領域からの下落より10月から12月にかけての自然体の範囲からの下落の方が急速かつ大幅になっています。直観的には過熱局面からの下落の方が急速かつ大幅になりそうですが、ここでは逆転しています。

この不自然な現象のカギを握るのが市場リスクの動向です。当メルマガでは先般より市場リスクの大きさを客観的な数値で捉える指標として「市場リスク規準指数」(以下、「指数リスク」)を開発、折々にご紹介していきました。

下図は「リスク指数」の推移を示すグラフです。

<「市場リスク基準指数」の推移(2018.1.4 ~2019.1.25)>

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紺色の線が「リスク指数」です。中央の黒線は市場リスクの中央値である50点、その上下にある緑線は市場リスクの通常の変動領域、緑線と薄赤線の間はリスクオンあるいはリスクオフの領域に入る予備段階を示します。そして薄赤線の外側がリスクオンあるいはリスクオフの領域で、さらにその外側の赤線は極端なリスオンとリスクオフの領域の境界を示します。

2018年以降で市場が強気そのものになるリスクオンの領域に入る、すなわち「リスク指数」が30点以下になったのは1月に日経平均が変動の上限を超えた局面で、「リスク指数」は日経平均がピークを付けた23日には21.27と、極端なリスクオン領域にまであと一歩のところまで低下しました。これは2013年5月の当指数の開発以来最も低い値となっています。

一方、昨年12月のリスクオフ、市場の弱気の状況はかつてない事態になっています。「リスク指数」は12月半ばに70点を超えてリスクオフの領域に入った後、さらに一段と加速して20日には80点を上回り「極端なリスクオフ」の領域に入っています。そしてピークの25日には88.43を付けました。これも前述のリスクオンのピークと同様、当指数の過去最高水準となります。ちなみにこれまでにリスクオフの領域に入ったのは2016年2月の中国ショックによる相場急落時の1回のみです。当時の「リスク指数」は80.99でギリギリの極端なリスクオフ領域になっています。

このように2018年の株式相場は過去に例を見ない市場リスクの乱高下に振り回されて来たと言えます。こうした乱高下の背景には世界的な超金融緩和政策による過剰な流動性やコンピューターによる高頻度取引など技術的側面、あるいは米中間の貿易戦争や英国のEU離脱問題の行く末など制度的な側面もあり、しばらくは不安定な市場リスクの状況は続くと考えるべきと思われます。

とはいえ、さすがに88点台の「リスク指数」は異常な状況で、直後に反転して2019年初には極端なリスクオフの領域から通常のリスクオフの段階に入りました。そして足許では70点前後で推移しており、リスクオフと予備段階の境界上で気迷い状態にあります。

この後、市場リスクが60点以内の安定期にまで戻って行けば、日経平均はこれまでの実績に則って理論株価に向かっていくと思われます。足元の理論株価は2万3,119円です。

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(※ご注意:投資判断はご自身で行ってくださるようお願いいたします。当講座は投資判断力を強化することを目的とした講座で投資推奨をするものではありません。当講座を基に行った投資の結果について筆者及びインテリジェント・インフォメーション・サービスは責任を負いません)

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資産運用のブティック街』(2019年1月30日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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