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外貨MMFの売却益が課税対象に。2016年の税制変更前の利確がベター=川畑明美

外貨建てMMFとは、円を外貨に両替し、国債や社債で運用する投資信託のこと。2016年からは税制が大きく変わり、これまでは非課税だった為替差益に20%課税されるようになります。

そんななか、ファイナンシャルプランナー、川畑明美さんのもとにメルマガ読者から質問が届きました。なんでも現在保有している米ドル建ての外貨MMFについて利益を確定するべきか来年以降も保有すべきか悩んでいるとのこと。川畑明美さんは利益が出ているならば一旦売却した方が税金面では良いと言います。

外貨建てMMFは税制改定前に利益確定した方がベター

メルマガ読者からの質問

いま保有している米ドル建ての外貨MMFで最初の頃(15年以上前)に買った時の価格が、証券会社の履歴から消えたそうで、もし、このまま持ち続けていていると来年以降に特定口座を開く場合に手続きが取れなくなるというようなお知らせがきました。

とりあえずコールセンターに問い合わせたところ、古いものは記録が残せないとのことと、対応としてはこのまま電話でクロス取引をして買い直すと価格が確定できるとのこと。

購入当時の価格を消してしまうのは納得いきませんでしたが、クロス取引をして特定口座を開く手続きをするかここで円に換えてしまうか迷っています。

クロス取引をした場合、為替により価格が変わるという話も伺いました。

積み立ての平均単価とクロス取引後の単価が大幅に(損する方向に)変わってしまう可能性があるでしょうか?

今朝の段階では、利益は14%になっていました。20%にはなっていないので、年内は様子を見てから売って円に換えたほうがいいのか、すぐ円に換えてもいいのか、クロス取引をして少しづつ売っていくのがいいのか迷っています。

FP・川畑明美さんの回答

クロス取引が分かりにくいですね。クロス取引とは、ある銘柄の注文において、同一銘柄、同数量の買い注文と売り注文を同時に発注し、約定させる取引をいいます。

来年2016年の1月から外貨建てMMFの税制が変わるため、そのための対応です。

外貨建てのMMFは今年までは、円高で購入し、大幅な円安になった後に売却すると、為替差益がいくら生じていても税金がかからないのです!

これが来年以降は20%の税金がかかります

対応としてはこのまま電話でクロス取引をして買い直すと価格が確定できるとのこと。

買った時期のドル円の価格がないので推測ですが、1ドル100円くらいだったと思います。

現在122円ですので、クロス取引は不利になってしまいます。なぜなら、122円で売って買うので、買値が高くなってしまうからです。

クロス取引が有効なのは、損失がでている時に損を確定して、節税する場合です。

クロス取引をした場合、為替により価格が変わるという話も伺いました。

金融機関の方は、ここで説明してくれないのかしら?ひどいですね。

利益がでていれば一旦売却が良いのでは?

今朝の段階では、利益は14%になっていました。20%にはなっていないので、年内は様子を見てから売って円に換えたほうがいいのか、すぐ円に換えてもいいのか、クロス取引をして少しづつ売っていくのがいいのか迷っています。

課税が20%ということは、利益に対してです。

具体的に言うと、100万円で購入したドルを現在の為替で円に戻すと利益14%だったら、114万円になっているでしょう。

年内までは、14万円の差益が非課税ですが来年からは、2万8000円課税されてしまうということです。

税金面を考えると一旦売却した方が良いですね。ドル高傾向にありますので、為替がまたドル安になったら積立を再開すれば良いと思います。

【関連】主婦のヘソクリもターゲットに?「マイナンバー」知っ得情報=FP・川畑明美

教育貧困にならないために』(2015年11月14日、15日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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