借り主、大家さんへの影響
レオパレス社は2月7日に法令違反の疑いのある物件が1,324棟あったと調査結果を発表しています。そして、最大でおおよそ1万4,000人の方に他住居への引っ越しを依頼することになるとのことです。
引っ越し費用および、それにより発生するレオパレスの空室の賃料についてはレオパレス社側が負担するとのことですが、サブリース契約を結んでいないオーナーについては定かではありません。
レオパレスを退去せざるを得ない入居者は、新たに別のレオパレスに移るのか、同社の関係しない全く別の賃貸物件に引っ越すことになりますが、引っ越し費用が3〜4倍に高騰している4月の引っ越しシーズンに、果たして引っ越しすことができるのか疑問が残ります。
レオパレスオーナーについては、サブリース契約によって当面の賃料収入は保証されますが、いつまでも保証が続くのかは明らかになっていません。
オーナーによっては改修工事が2年後、3年後になることもあるそうですので、それまでの間、保証を続けてもらえるよう契約内容をしっかりと見直さなくてはなりません。
「元レオパレス」が大量に売りに出る?
2018年、レオパレスの界壁問題が発覚した後、大量のレオパレスが売りに出ていることが(不動産業者の物件登録サイト)レインズにて確認されました。
そして、その時点ですでに一部の金融機関ではレオパレス物件については融資審査を行わない(融資しない)方針を打ち出していました。
金融機関が融資をしないのですから、一般の投資家では物件を買うことはできません。
一部のレオパレス物件は業者などに安く購入されたとのことです。
今後はそういった元レオパレス物件が市場に出てくることが予想されます。
元レオパレス物件を転売する業者が、きちんと界壁などを改修しているのであれば問題ありませんが、もしも改修されず見た目だけを変えて転売しているのであれば要注意です。
2018年4月より宅建業法が改正され「ホームインスペクション(住宅診断)の説明」が義務化されました。
これは中古住宅(共同住宅を含む)を売買する際に、ホームインスペクションという中古住宅の診断調査を行ったか、行うかということを説明するというものです。調査の実施を義務化したわけではないので注意してください。
今後、投資家としては物件の外観が元レオパレスと思われるものについては、慎重に調べる必要があります。そして、元レオパレスだと判明した場合は、ホームインスペクションによる界壁調査を売買の条件に加える必要があると考えます。
また、レオパレスオーナーは、できるだけ早く界壁調査を行い、レオパレス社に改修工事を行ってもらう必要があります。そして改修工事を完了した際には、第三者による界壁調査を行い、その調査報告書を大切に保管しておいてください。
その調査報告書こそが、レオパレス物件を少しでも高く売却できるためのキーとなるからです。
きちんと界壁が改修されているという第三者の調査報告書を銀行に提出することで、買主側の融資が出る可能性が高まるからです。