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レオパレス、施工不良でぎりぎり成り立つずさん経営。大家さんはどうすれば救われるのか?=姫野秀喜

ありえないレオパレスのずさんな工事

そもそも、どうしてこのようなずさんな工事が行われたのでしょうか。

レオパレス社の説明によると、「図面と施工マニュアルの整合性の不備」および「社内検査態勢の不備」によって、このような問題が生じたとのことです。

なぜ、図面と施工マニュアルが不整合を起こしたのかという点については、「物件のバージョンアップが頻繁に行われ、建物の仕様が分かりにくくなっていた」「施工業者に渡している図面と施工マニュアルの整合性に不備があった」と説明しています。

そんなことがありえるのかと不思議に思い、プロの大工さんにヒアリングしてみたところ、「普通は天井の上まで壁を作るので、施工しない場合、違和感を感じる」とのことでした。

たとえマニュアルの不備があったとしても(人によるが)、現場で気づくことがあったはずとのことでした。

また、「界壁」に不備があるだけにとどまらず、オーナーに説明した設計とは異なる断熱材(ウレタン系)を使用していたり、本来2重にすべきところを1重のまま施工していたり等、プロの大工さんから見て明らかに不審な点があるとのことでした。

新築を建て続けないと経営が持たないレオパレス

そもそも、地主向けに賃貸アパートを建設しサブリースをする業者の収益構造は、

(通常の工務店で建築するよりも)過大な建築費用で収益を上げ
   ↓↓↓
(需要がない地域の満室にならない)サブリースを支払う

というものです。

イナゴの集団が食い尽くして移動するように、営業マンがマイクロバスで田舎に集団で訪れ、相続を心配する田舎の地主に一気呵成に建設を促していくスタイルです。

そのため、常に新築を建て続けなければ収益が悪化してしまうのです。

ビジネスモデルに限界が来ていた

レオパレス社は収益悪化を防ぐために、2009年より「終了プロジェクト」と呼ばれるプロジェクトを開始しました。これは、採算の悪い逆ざや(家賃収入よりもサブリース金額の方が大きい)のアパートについて「サブリース契約を終了させる」というものでした。

2009年時点では、すでに建築時に粗利を上げ、その粗利を切り崩しながらサブリースを行うというビジネスモデルに限界が来ていたといえるのです。

2009年のレオパレス社の有価証券報告書(第36期)によれば、連結の売上高は約7,300億円であり、そのうちアパート請負事業の売上高が約3,600億円と売り上げの約50%を占めるほどでした。

同年の賃貸事業における売上高は約3,300億円ですが、入居率の低下による採算悪化による売上総利益の減少を報告しています。

そして、翌年2010年の有価証券報告書には下記の記載があります。

「(レオパレス社は)定められた固定賃料をオーナー様にお支払いしています。従って、この期間中に当社が受け取る住居人からの家賃収入に変動が発生した場合には、当社の収益性に影響が及ぶ可能性があります。」

不採算アパートが収益性に影響を与えるということをしっかりと認識していたということです。

逆ざやになってしまうサブリースを多数抱えた同社が、工事を簡素化して工期を短く、建築コストを少しでも小さくし、建築時の粗利を大きくしたいと思うのは不思議ではないと思うのです。

この界壁のずさんな工事は、後々生じることが分かっている、サブリースの逆ざやを埋めるために建築時に大きな粗利を上げなくてはならないというビジネスモデルが生みだした必然と言えるでしょう。

Next: やりきれない大家と1万4,000人の住人たち、引っ越しシーズンに転居できるのか?

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