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Netflixが1年でコンテンツに約3,000億円投資しても、今後の成長力に期待が高まるワケ=シバタナオキ

たった3か月で有料会員を880万人も増加させたNetflix。投資的観点からはキャッシュフローの悪化が気になります。そこで、注目すべき3つのKPIから成長力について解説。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年2月11日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

コンテンツ投資約3,000億円でキャッシュフロー悪化、その回収目処は?

Q. Netflixの決算で覚えておくべき3つのKPIとは?

A. 以下の3つの数字は覚えておきましょう。

1: 有料会員数: 四半期あたり880万人増加
2: 売上: YoY +27.4%の$4.2B(約4,200億円)
3: コンテンツ投資: 2018年の1年間で$3B(約3,000億円)をコンテンツへ投資

今日の記事は、読書の方であれば毎度おなじみの、Netflixの決算に関してです。株主へのレターから、詳しく見ていきましょう。

※参考:Letter to shareholders: 2018 Q4 Results and Q1 Forecast

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2018年の10月から12月の四半期で、売上がYoY+27.4%の$4.2B(約4,200億円)、営業利益は$216M(約216億円)で、営業利益率が5.2%という結果でした。

フリーキャッシュフローは四半期で$△1.3B(約1,300億円)と、巨大なコンテンツ投資を続けています。

冒頭でNetflixのKPIで覚えておくべき3つを訊きましたが、以下で詳しく見ていきたいと思います。

1: 有料会員数: 四半期あたり880万人増加

初めに、有料会員数の推移を見てみましょう。

投資家から見て、Netflixで最も好調に推移しているKPIが、この有料会員数の増加になります。今回の四半期では、880万人もの有料会員数をたったの3か月間で増加させました。

ガイダンスとして公開されていた760万人よりも、大分大きい数字で着地したことになります。

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このグラフが時系列での有料会員数の推移になりますが、2018年はそれまでの数年間よりも早いペースで有料会員を増加させたことになります。

また2019年も、第1四半期に890万人も有料会員を増やす予定だというガイダンスが発表されています。

2: 売上: YoY+27.4%の$4.2B(約4,200億円)

次に売上を見てみましょう。売上に関しては、ガイダンスで発表されていたYoY+27.8%には届かず、YoY+27.4%の$4.2B(約4,200億円)という結果になりました。

決算発表で述べられた原因としては為替変動が挙げられていました

Netflixのビジネスモデルでは有料会員数と売上は基本的に比例しますので、あまり大きなサプライズはありませんが、四半期当たり$4.2B(約4,200億円)、そしてYoY+20%以上の成長というのは、非常に力強い成長だと言えるでしょう。

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アメリカとそれ以外で詳しく見てみると、アメリカ国内は利益率は29.6%と非常に高いのに対し、有料会員数の増加は四半期あたり153万人と落ち着いてきています。

一方でアメリカ国外を見てみると、利益率は3.9%とアメリカ国内に比べると見劣りしますが、有料会員を四半期あたり731万人も追加するという具合に、大きく成長していることがわかります。

このようにNetflixのビジネスをアメリカ国内と国外に分けてみると、国内ではしっかり利益を稼ぎながら、アメリカ国外でマーケティングに大きく投資をして、有料会員数を増やしているのが見て取れます。

Next: ここまで順調に成長してきた、Netflixの今後は?

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