リップル社が2018年10月から12月期の四半期決算を発表しました。今回はそのなかから、仮想通貨についての興味深いトレンドが見えてきたので解説します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年2月8日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
個人は増加、機関投資家への販売が落ち込むXRPの流通
Q. 仮想通貨XRPの2018年10-12月期の取扱高は前四半期比で何倍
リップル社が2018年10月から12月期の決算を発表しました。その中で、仮想通貨に関する興味深いトレンドがいくつか書かれていたので、紹介したいと思います。
※参考:Q4 2018 XRP Markets Report(2019/1/24)
まず最初に少しおさらいとなりますが、リップル社は高速で低コストな国際送金サービスの提供(RippleNet)を主力事業としています。
日本のメガバンクを含む世界中で200を超える銀行や送金業者がリップル社のネットワークに参加し、現在27か国の間で国際送金が可能になっています。
RippleNetを用いた国際間送金の際に、二国間のブリッジ通貨として利用されるのが仮想通貨XRPです。
XRPはブロックチェーンを用いて管理されているビットコインとは異なり、マイニング作業を限られたメンバーが行うことで、高速な送金スピードを実現しています。従来銀行間で用いられてきたシステムだと数日かかった送金が、RippleNetではなんと4秒で完了すると言われています。
ちなみにリップル社は仮想通貨XRPを取り扱っていますが、XRPとリップル社は直接関係がないとされています。
リップル社はXRPの全取扱高の0.24%を占める
この表の下側(Global XRP volumeの項)を見れば分かる通り、XRPの全取扱高は2018年の10月から12月の四半期で$54.8B(約5.48兆円)でした。前四半期と比べると1.44倍になっています。
そのうちプログラマティック取引の割合は0.16%でした。プログラマティック取引というのは、仮想通貨を保有する個人が取引所を経由して売買された取扱高と考えられます。
XRPの全取扱高のうち、リップル社が占める取扱割合は0.24%でした。
XRPの取扱高は1.4倍に増えているのに、全体のうちの取扱割合が大きく下がっているのは、リップル社が保有しているXRPの売出しスピードを緩めたためと考えられます。
Next: XRPの取引のトレンドはどのようになっている?