経済的自立を目指して投資をはじめるにあたり、「リターンの計画を立てること」をしてはいけません。今回は、なぜそれをしてはいけないのかを解説します。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
計画的に投資をすることと、リターンの目標を立てるのは別
3年後に1,000万円に増やしたい?
投資をしたいという女性の中に、少なからずいらっしゃるのは「離婚願望」を持っている方。
ご主人と離婚するのに、経済的自立をしたいと考え「投資をはじめたい」と言います。
その考えに至ったことには言及しませんが、「あせって投資をする」のは危険です。
お子さんが独立するのを待って離婚したいので3年後までに資産を倍にしたいとか3年後に1,000万円に増やしたいとか投資の目標を立てることは危険な考えなのです。
え?あの…、川畑さんって、いつもお金の計画を考えてって!言っていませんでしたか?
…そう思った方はいると思います。私は、お金の計画を立てることはいつも書いていますから。
投資のリターンを計画してはいけない理由とは?
ただし、よく考えてみてください。
「3年後までに資産を倍にしたいとか、3年後に1,000万円に増やしたいとか」と言うのは、お金ではなく「リターン」の計画です。
貯蓄するお金の計画を立てても良いのですが、「リターン」の計画をするとそれが元で失敗してしまうケースがあります。
例えば、3年間コツコツ積立て投資信託をしてきたけれど100万円が120万円になっただけで倍にはならない。「だから、この投資は失敗だ!」とは、なりません。
投資のリターンは、投資を始めた時期の経済状況によって違ってきます。定期預金のように3年後受取れる金額が決まっているものではありません。
3年後の計画は、リターンを含めない「確保できる金額」で予定を立てるべきなのです。
投資のリターンは、未来予測なので当たるかどうかは、誰もわからないのです。
リターンを期待して、計画してしまうと「こんなはずじゃなかった!」3年ではなく5年待てば値上がりするかもしれない資産を途中で解約してしまう…なんてことにも、なりかねません。
離婚願望がある方でも投資に関しては「心安らか」な状態で望んでくださいね。
『教育貧困にならないために』(2019年2月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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