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カネの流れで考える「米国の本音」これからの中東情勢とIS問題=矢口新

ISテロ、3つの根本的な問題

欧米の若者が多数参加しているということで、ISテロの根本的な問題は、欧米諸国内部にもあることが察せられる。というより、もともとイラク、アフガニスタン、シリアなどが、欧米に対して「戦争」を仕掛ける気配があったわけではないので、むしろ問題は、欧米内部の問題であるといえる。

要因を3つ挙げるとすれば、私は以下のようなものだと見なしている。

  1. 欧米の中東政策の失敗
  2. 先進国の所得格差の拡大
  3. 欧州の若者の失業率の高止まり

2.の所得格差は、欧米だけでなく、日本や中国でも顕著になってきている政治経済の問題で、一朝一夕で解決する問題だとは思えない。

3.の失業問題は、ユーロ圏の各国が独自の経済政策を捨てたところに問題があるので、ユーロを維持している限り、解決することは困難だ。

そこで1.の中東政策だが、どの情報を信じるかで判断が分かれることになり、解決できる問題かどうかも判明する。とはいえ、私はアラビア語やペルシャ語が分からないので、欧米が提供する資料を根拠とすることになる。スノーデン氏の暴露は、私の見方を補強してくれるが、それをもとに何かを判断することはできない。

そもそも「信頼に足る情報」とは何か?

ところで、相場で最も信頼できる情報が何か、お分かりだろうか?

「その筋の噂」だと答える人はいないと思うが、エコノミストやアナリストが提供する情報も主観が入るのでアテにならない。同じように、企業の決算報告なども、全く作為がなくても、会計基準や税制などを踏まえた上での情報でしかない。

そのため、日本有数の利益を上げている会社が、ほとんど税金を納めていないようなことも起きる。ファンダメンタル分析は曖昧なものなのだ。

嘘が最も少ないのは、市場でついた価格と出来高だ。資金の流れだ。チャートで価格の推移を知り、出来高に注目し、資金の流れを分析していけば、将来のトレンドやボラティリティが概ね占えることになる。

「本音中の本音」米政府が公表した対外支援金の行先に注目する

米国の中東政策でも、米国からの資金援助を見れば、どの国をサポートしたいかが見えてくる。これは笑顔や美辞麗句に惑わされない、本音中の本音だ。

先頃、米政府が公表した対外支援金の行先は刺激的なものだった。総額350億ドルのうち、31億ドルがイスラエル、15億ドルがエジプト、11億ドルがアフガニスタン、10億ドルがヨルダン、9億ドルがパキスタンに向かっている。
Here’s where the U.S. sent $35 billion in aid last year

米国がイランへの経済制裁を解く一方で、オバマ政権はイスラエルに対しては強面の姿勢を強調しているかのような映像をよく見るが、何といっても米国の最大の同盟国はイスラエルなのだ。この5カ国を見れば、産油国とイラン包囲網、あるいはロシア、中国への牽制が米国の最大の関心事であると推察される。

また、軍事支援金に限るともっと刺激的だ。イスラエルが31億ドルと、同国向け支援総額の100%が軍事支援だ。エジプトには13億ドルで、この2カ国だけで軍事支援金の75%を占める。次いで、ヨルダン、イラク、パキスタンと続く。
Two countries get 75% of all U.S. spending on foreign military aid

Next: 必ずしも民主主義を尊重しない米国。「本音」は資金配分に表れる

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