もっと個人情報が欲しい政府
政府はなぜ、そんなにも全国民にマイナンバーカードを持たせたいのでしょう。
そこで、菅官房長官の発言「政府としては同カードの普及に向け政府システムを構築したこともあり、国民の利用が進まないと、国民生活の利便性向上や経済の生産性向上が進まないことになる。このため、普及に向けて総務相を中心に施策を検討していく」に注目してみました。
政府は「カード普及を前提に政府システムを構築した」とあります。マイナンバーカードが普及しないと政府が困るというのです。
なにが困るのでしょう。
「政府システム構築」とは、今以上にマイナンバーカードに盛り込まれる情報を増やす準備があるということなのでしょうか。そのためには国民全員がマイナンバーカードを持っていないと困るということなのでしょうか。
社会保障保険料や税金納付情報や、年金給付、福祉・介護手続や災害時支援利用状況を管理するマイナンバー制度に、あらたに健康保険証機能追加となることで、医療機関利用履歴や投薬履歴が加わります。
既に金融機関での口座開設には、金融機関の自主的対応として、マイナンバー提出を求められます。将来的には義務化され、個人資産情報もマイナンバーに盛り込まれることになるのでしょう。
都合よく個人情報が使われる?
「社会システムのIT化」という部分でのマイナンバーカード利用は意味があるとは思います。ただ、国民の全ての情報を管理する行政および政府側との信頼関係が築かれているのかどうかが大事だと思います。
マイナンバー制度に反対する人たちの多くは、情報を管理する側が信用できない、つまり、安心して情報管理を任せられないという基本的な信頼関係が築けていないところに大きな問題があると指摘しているように思います。
時の政権の都合の良いように個人情報が利用される…。
昨今の不正、隠蔽、捏造の数々を見ていると、とてもこの国の行政は信用できないという感情が起こっても無理はないでしょう。
民間企業の情報漏えい、個人情報の不正流用(民間に限りません)、その対処方法を見ていても、とても安心できないという思いは容易に理解できます。
繰り返しますが、「社会システムのIT化」という部分でのマイナンバーカード利用は意味があると思います。
さらに、菅官房長官の「経済の生産性向上」という言葉は何を意味しているのでしょう。マイナンバーカード活用などの社会構造の変化は、キャッシュレス化等を含め、インフラ整備が必要となり、当然そこには大きなお金が動くことになります。