選挙のために業界圧力に屈した…?
この印鑑業界の圧力に屈して、自民党案から「印鑑レス」の項目を削除したのも参議院選挙のためです。選挙のためには主義主張も変える、選挙のためには住民サービスは「二の次」と言っているようなものです。
事実、夏の参議院選挙後の臨時国会には、再び押印の簡略化に向けた議論が行われるとみられているという報道もあります。
民意とは何か…。民主主義において、国民の意思を伝える唯一の手段は「選挙」です。
以前、当メルマガでも「組織票」について取り上げました。2017年10月23日配信号ですが、そのときに「現場から見える組織票」というタイトルで、現場の生情報をご紹介しました。
その一部を引用しますと…、
地元では、子供達のスポーツ団体が加入する○○協議会の理事等を自民党の市議会議員がつとめています。自民党議員に投票するようにと、各団体に働きかけがあり、監督さんからお母さん達に説明があります。そして○○さんが勝たないとグランドの割り当てが無くなるんだって!とお母さん達の間で話がまとまります。地域の福祉協議会では、各地区の役員が会議名目で召集され、翌年度以降の市からの予算について説明があり、自民党の○○さんがご尽力下さいますという説明があります。
選挙期間中、仕事は午前中だけ、午後は従業員全員電話がけで自民党候補を推す会社があるという話をしてくれた方の友人が勤めている会社で、会社ぐるみで、自民党候補の応援。もちろんこれは本人の自発的意思ではないし、業務の一部としてやらされていて、給与も支払われている…。
選挙には組織票と浮動票というのがあり、組織票は固定されるので読みやすく、効率的に集票できるので、政治家はどうしても組織票を欲しがります。
そうなると組織側も、票を差し出す見返りに利益を求めてきます。いわゆる業界利益です。
政治家は、次回選挙にも影響するので大きな票田組織には利益を誘導するということを行うでしょう。当然、そのようなことはないと否定はするでしょうけどね。
業界利益を守るために、業界は政治家を応援(献金や集票)し、政治家は次回以降も協力を求めるために優遇します。
選挙結果が民意である…。
それは民主主義の大原則ではありますが、実際には「ゆがめられた民意」という懸念も一部にはあり、でも現在の間接民主主義、代議制ではどうしようもないのでしょうね。