Q5:その企業の1株当たり利益(EPS)は安定成長しているか
さて、この会社は、かなり自社株買い戻しに積極的な面があります。そのため、収益がそこまで高くなくてもEPSが高いのです。
それにしても、同業他社(ZARAを展開するInditex)などと比較しても、業績には大差ないのに、明らかに売られすぎです。ブランド構築も積極的ですし、GAPが悪い選択肢にはならなそうです。底堅く成長していますね。何よりすごいのが、あのリーマンショックの時も底堅い。
今後、中国の不動産や、FRBの利上げなどで、不景気に入る可能性もあります。そうしたとき、底堅い推移を安定して見せてくれそうな安心感があります。
年 | EPS(ドル/株)TTM | 前年比成長率 |
---|---|---|
2015 | 2.435 | -13.2 |
2014 | 2.805 | 0.1 |
2013 | 2.8 | 37.8 |
2012 | 2.0 | 17.8 |
2011 | 1.7 | -3.9 |
2010 | 1.8 | 26.3 |
2009 | 1.4 | 4.4 |
2008 | 1.4 | 39.1 |
2007 | 1.0 | -6.5 |
2006 | 1.0 |
年平均EPS成長率:5.5%
Q6:その企業は安定的に高いROE(株主資本利益率)をあげているか
決算年 | ROE |
---|---|
2015 | 36.62% |
2014 | 42.07% |
2013 | 42.35% |
2012 | 34.58% |
2011 | 27.26% |
2010 | 25.39% |
2009 | 21.61% |
2008 | 22.74% |
2007 | 15.40% |
2006 | 16.88% |
平均ROE:28.5%
うーん、高いですね。非常に。最近になってROEはさらに上昇している傾向を見せています。何でかなーと思って、バランスシートを入念に見てみたのですが(10年分見るのは大変なんですよ・笑)、売上もそこまで変わっていないし、コストもそこまで変わっていない。
なんででしょう?と考えたら、2012年に、一気に株主資産が減って、長期債務でその分穴埋めしているんですよね。「消えた株主資産はどこ行ったの?」と思うかもしれませんが、自社株が一気に減っているので、自社株買い戻しに使ったと思われます。
なんだか悪いように聞こえるかもしれませんが、自社株を買い戻すことで、株式の価値を高め、借金をすることで、成長の展開を遅らせないのは、非常に素晴らしいことだと思います(ちなみに、株主にはバフェットもついていますからね・笑)。
Q7:その企業は強固な財務基盤を有しているか
財務基盤を見る際は、自己資本率が良く使われますが、それはバフェット的にはNGです。長期債務に対して、どれだけ稼ぐ力を持っているかが重要と考えています。
今期の長期負債(百万) | 2,473.00 |
---|---|
今期の税引き後利益(百万) | 1,262 |
長期負債/税引後利益(年) ※長期負債を税引き利益で返済するのに必要な年数 |
1.96 |
2年以内に返すことができてしまいます。まったく問題ありませんね。
Q8:その企業は自社株買い戻しに積極的か
自社保有株式は、発行していないとみなしています。
今期発行済み株数(百万株) | 401.9 |
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10年前の発行済み株数 | 869.63 |
過去10年間に減少した株数 | 467.73 |
減少した割合 | 53.78 |
は、半分になっとる…私は長いこと株価の分析をしていますが、ここまで自社株買い戻しに積極的な株はみたことないですね…素晴らしいです。