SNSの進化その2:個人情報の自己管理
SNSは個人のライフスタイルや行動に関する全般的な個人情報を収集し、ユーザーの同意を得ることなく企業に販売している。これがSNSの大きな利益の源泉になっている。
もし個人情報がブロックチェーンで管理されるようになれば、先のアカウントと同じく、ブロックチェーンに書き込まれた情報は簡単にコピーできなくなる。その結果、SNSが同意なく個人情報を第三者に販売することはできなくなる。
ブロックチェーン上の個人情報は暗号キーによって保護されているので、SNSがその内容を見たいとき、あたかも仮想通貨を特定のアドレスに送金するように、ユーザーが個人情報をSNSのアドレスに送信しなければならない。これはユーザーが個人情報を完全にコントロールしている状況だ。
こうした状況になると、ユーザーが一定の報酬を得て個人情報をSNSに販売することもできる。
SNSの進化その3:クラウドファンディングや物品・サービスの販売
いまやSNSは、コミュニケーションの手段を越える機能を持ち始めている。SNSが資金を募るクラウドファンディングや、物品やサービスの販売の場として使われるケースが増えている。
そうした状況でブロックチェーンのシステムが使えるなら、資金の安全な送金や支払いが容易に行えるようになる。
集められた資金や売り買いのすべてのデータが、コピーや改ざんが実質的に不可能なブロックチェーンに記録され管理されるなら、安全性の高い取引が実現できる。
SNSの進化その 4:メッセージの安全性
フェイスブックの「メッセンジャー」に代表されるように、SNSはプライベートなメッセージを送受信するコミュニケーションのツールとして使われている。
しかし、メッセージの内容はSNSの主催者をはじめ、警察や政府など多くの外部機関が検閲可能な状態になっている。
このため、昨年インド政府は不適切なメッセージをSNSの企業に削除を命じることができるとの法案を可決した。これは、個人のプライバシーに対する侵害である。
こうしたメッセージ機能にブロックチェーンを使うと、暗号キーを持つものだけがメッセージを見て、外部の者が見ることのできないシステムを構築することができる。
これはメッセージの機密性を守る意味で、とても重要だ。