当時のコラムに書いた「許せない話」
当時、「許せない話」と題してコラムを書いています。その内容をご紹介します。
私たちの老後のための大切な保険料を、年金給付以外に使っていました。社会保険庁の事務費、しかも幹部の交際費や公用車代などに年約1,000億円、グリーンピア(リゾートホテル)事業に約3,800億円(赤字経営により回収不能:厚生労働大臣答弁)、年金資産の株式運用の欠損約6兆円などなど。すべて新聞や大臣答弁で公表されているものばかりで、ちょっと許し難い問題です。
社会保険庁は、年金の給付システムについて総点検を行った結果、1991年からの支給ミスは過払い、未払いを含め、約8万人、少なくとも380億円に上るとの最終報告を公表しました。社保庁は支給ミスが発覚した2003年6月以降、支給ミスが判明するごとに、延べ8回にわたり事実を公表しています。
「消えた年金」問題はこの後に出てきます。「消えた年金」問題は、小泉内閣後に発足した第1次安倍内閣を倒壊に追い込んだ問題でもありました。
これらの「つけ」はどう処理されたのでしょうかね…。
政府が想定するモデル世帯もズレている
年金受給者を考えるうえで、さらに重要な視点を、当時のコラムで指摘しています。以下、コラムの文章をそのまま載せます。
この“モデル世帯”がくせ者で、“40年厚生年金に加入している夫と無職の妻”がモデルだそうです。つまり、平均的な賃金で40年間働いたサラリーマンOBの夫と、ずっと専業主婦で1度も会社勤めをしたことのない妻の2人暮らし世帯について試算した金額です。
共稼ぎが増えてきたり、結婚年齢の高齢化が進む昨今において、果たしてこのパターンがモデル世帯なのか、現在において、モデル世帯はどれだけの割合を占めているのでしょうか…?
この「モデル世帯」に関しては、当時も批判がありました。生涯独身の方は、現役世代平均年収の50%は確保できない状況であることは、当時も大きな話題となっていました。
40年間フルタイムで働く夫と、1度も就職していない専業主婦のモデル世帯以外は、年金支給額は、現役平均年収の50%に満たないということです。