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年金は政府の皮算用で崩壊へ。なぜ今、国民に「老後2,000万円の不足」を突きつけたのか

当時から話題となっていた「年金制度維持と税負担」の関係

「100年安心」年金プランの内容は、

・保険料負担者の負担額のアップ
・将来の受給者の受給額の見直し
・基礎年金の国庫負担割合の引き上げ

というものです。

この中で「基礎年金の国庫負担割合の引き上げ」は税金の投入を意味し、国民年金給付の財源のうち33%(1/3)を税金で賄っていたのを50%(1/2)にするということでした。

この税負担財源として「増税」という認識に直結させることを避け、当時からも「消費税を含めた税制度抜本的見直し」という表現をしていました。

政府の年金財源確保計画に関して、当時に私が書いたコラムをそのまま載せます。

まず、年金保険料引き上げ開始の2004年度以降は年金課税の見直しによる増収で賄います。

給与所得者には非課税枠である給与所得控除というものがあります。年金受給者にも公的年金控除という非課税枠があります。現行は貰う年金額140万円までは非課税ですが、その額を120万円に引き下げます。また、年齢が満65歳以上で、かつ合計所得金額が1,000万円以下の人(所得の種類を問わない)には50万円の老年者控除がありましたがこれを廃止します。

次に、2005・2006年度は“定率減税”を見直すことで賄います。

定率減税とは、給与所得者の計算された税額から、定率20%減額されるもので、森内閣当時の政府の不景気対応策の一つとして導入されました(皆様の源泉徴収票の摘要欄にも記載されています)。これが無くなります。つまり皆様の所得税の優遇措置がなくなり、その分、年金給付の財源となります。

そして、2007年度をめどに消費税を含む税制の抜本改革の実施することで賄います。まだ消費税アップとは明言しませんが、この時点では小泉首相は任期が切れています。在任中は消費税率は引き上げないということは…。

これらを、納税者の立場に置き換えて考えると、国民(基礎)年金の給付財源への税金投入の財源をまずは「年金受給者」が負担し、次に「厚生年金需給者である給与所得者」が負担し、結局は、広く国民が負担する…

という構図になっていました。個税負担の財源確保解説文章を「翻訳」すると、上記のような構図になることを指摘していました。

この基本姿勢は、今も年金制度を語る上では、きちんと引き継がれています。

ただ今回の消費増税は、「税と社会保証の一体化」理念から大きく外れているようで、その部分は当時の理念とは違っているようです。

金融庁報告書「人生100年時代、2,000万円が不足」

ここからようやく、先日、麻生財務大臣が述べた「2,000万円資産形成」の呼びかけの話になっていきます。

マスコミでは、この麻生大臣発言と、2004年小泉内閣時の「100年安心」の年金に対するメッセージをつなぎ合わせて

人生100年時代に「100年安心」年金制度設計が役に立たないのか…

という論調になっているようです。

その背景を理解してもらうために、ここまで当時発表された「100年安心」年金プランを調べたコラムを掘り起こしてきたのです。

「100年安心」のために保険料負担と税負担を容認してもらったのですが、それでも状況が変わったので、制度に頼るだけでなく自分達で老後資金を何とか準備してくださいというメッセージが、今回の金融庁報告に繋がるような気がしてなりません。

その資産形成のために、70歳まで働けるように企業を説得し、法制度化しますし、副業(+複業)もしやすいように法制度を整えます

非正規雇用の方にも社会保険負担をお願いします。再チャレンジ、女性活躍、高齢者技術活用等、働いてもらえる人にはどんどん働いてもらう「ニッポン一億総活躍社会」実現を後押しします…。

このような流れになっているのでしょうかね。

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