絶滅する地方銀行。安倍政権「骨太方針」の地銀再編で地方経済は奈落の底へ＝今市太郎

政府も地銀ビジネスへの目利き感皆無

昨年退任した前金融庁長官の森氏は、在任期間中にスルガ銀行と西武信金を創意工夫で新たな事業展開を行った素晴らしいビジネスケースとして絶賛していました。

しかし蓋を開いてみれば単なる強引な不正融資で投資用不動産向けの融資額を莫大なものにしただけで、結果は経営者辞任、銀行自体が存続できるのかどうかさえ危うい状況にたったの1〜2年で豹変しているわけです。

いかに地銀のビジネスに対する目利き感がないのかが完全に露呈している状況で、90年代に行ってきたレガシーな都銀の統合のようなノウハウでは、地域銀行をよみがえらせることはできない
のでないかと強く思う次第です。

儲からない地銀がやらかす外債投資も最悪の結果

FXの視点で見た場合、地銀が行っている断末魔のイールド・ハンティングによる外債投資もかなり問題です。

今やメガバンクやゆうちょ銀行あたりでもCLOなどに手を出しているわけですから、地銀が似たような行動を取るのは、ある意味で仕方ないのでしょう。

米債ひとつをとってみても、価格が下落する矢先に大量購入して、結局、損切で売り飛ばす羽目になったりしています。さらに、年度末が近づくと、撤退資金の円転引きあげから妙な円高が示現するといった不思議な事態も引き起こす始末。状況は刻一刻と悪化していることがわかります。

恐らく10年先と言わず、国内における銀行業はさらに窮地に立たされることになることは容易に予想されるます。

日本の機関投資家の動きにも、かなり大きな変化が現れることになるものと思われます。

地域銀行の当事者がもっとも焦り狂っているのであろうと思われますが、決定打になるような改善策は見つからないのが正直なところ。

地銀はこのまま絶滅に向かっていくことになりそうな気配濃厚です。

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