環境問題に配慮するESG投資が近年注目を集めています。そんなESG投資を目的とした社債発行の増加にともない、どのような会計処理となるかをご紹介します。(『時事問題で楽しくマスター!使える会計知識』柴山政行)
商船三井が、環境問題対策の社債を発行すると発表
船舶燃料の排ガスに含まれる硫黄分を辞去する装置の導入に
2019年6月29日の日経朝刊15面で、商船三井が28日、環境問題や社会問題の解決に資金の使途を限定した社債を発行する旨、発表しました。
※参考:商船三井のプレスリリース
※参考:環境配慮の社債、個人向け100億円 商船三井―日本経済新聞(2019年6月29日公開)
このような社債をサステナビリティボンドと呼びます。
社会的な意義の高いこの種の社債は、2013年ごろから起債が見られるようになったそうです。
2013年から2017年までの累積発行額は200億ドルを超えており、2017年の発行額が前年比で約2倍になるなど、取引額の増加傾向が顕著ですよね。
商船三井の発表に話を戻しますと、個人向けに同社債を100億円の規模で発行する予定だそうです。
集めた資金は、船舶燃料の排ガスに含まれる硫黄分を辞去する装置の導入などに充てられます。
ESGすなわち環境・社会・企業統治を重視した投資となります。
なお、会計的には、社債の発行はバランスシート上、固定負債として記載されるのが通常です。
一般に一年を超えて長期的な資金調達方法として発行されるからです。
*****バランスシート
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
********|流動負債
********|
********|固定負債
********|社債****100億円
********|
数年後、償還まで1年を切ったら、流動負債に表示を変更します。
以上、商船三井のサステナビリティボンド発行と社債のバランスシート表示に関するお話しでした。
『時事問題で楽しくマスター!使える会計知識』(2019年6月30日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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