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【7月米雇用統計】10年半ぶりの利下げで円安、トランプ砲を受けて戻したドル円の行方=ゆきママ

今日はトランプ砲で大きく円高に傾きました。そんな中で月に1度のお祭りイベント、米雇用統計が発表されます。

現状の相場状況と雇用統計の展望について解説していきたいと思います。(『ゆきママのブログでは書けないFXレポート(無料板)』『お値段以上!?ゆきママの「週刊為替予測レポート」(有料板)』FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)

想定レンジは1ドル=106.00~107.50円、今夜のトレード戦略は?

トランプ砲がトドメに!世界経済の見通し改善は厳しそう

109円まで進んだドル円が急落して106円台まで差し込んだ理由としては、1つは米長期金利(10年債利回り)が低下し続けたこと、もう1つは言うまでもなくトランプ砲ですね。

今週行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)において、パウエルFRB議長が利下げサイクルにはないと明言し、利下げにそれほどの継続性はなく、あくまで予防的利下げということでしたから、本来であれば過度に利下げが織り込まれた反動で上昇するべきでした。

しかし、さらなる利下げの後退を嫌気して株価が下がったことから、リスクオフ(回避)で債券(国債)が買われて金利が押し下げられるという流れです。

一方で、この時のドル円は利下げ後退ということでドル買い戻しから、堅調な推移を続けて109円台に突入していました。

このチグハグな噛み合わない流れが、翌日、一段と米長期金利が低下したことで顕在化し、ドル円の水準も調整されてドル円は108円台を割り込む動きとなりました。

さらに、トドメとなったのはトランプ砲で、トランプ大統領が制裁関税の対象となっていなかった中国からの輸入品3,000億ドル相当に10%の関税を課すと発表したことで、世界経済の下振れ懸念から株安の円高、債券(国債)が買われて金利が低下してドル安という最悪の流れで106円台に差し込みました。

これらのことから分かることは、ドル円が上昇トレンドに回帰するためには、真逆の動き、つまり、米長期金利の上昇と世界経済の見通し改善が必須ということでしょうね。

米長期金利に関しては、利下げ動向が強く影響してきますから、まずは米国の経済指標がポイントとなります。そういう意味で、今日の雇用統計が下振れるようであれば、一段と厳しさを増すでしょう。

また、世界経済の見通し改善については、かなり絶望的な状況。対中関税が撤廃されれば別として、引き続き関税によって中国経済は疲弊するでしょう。この他、英国のブレグジットによる景気減速懸念もありますから、明るい材料というのは皆無になりつつあります。

というわけで、目先はドル円を始めクロス円は上値の重い値動きが続くことになりそうですから、まずはそのつもりで見ておきましょう。

雇用は堅調な可能性があるが、平均時給は引き続き停滞か

それでは、先行指標の数字を見ていきましょう。決して悪くはないですが、ISMの発表した製造業の雇用指数の弱さというのは気がかりですね。

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)

民間の雇用報告であるADPが伸びたことや、新規失業保険申請件数が減少したことはプラスですが、ISM製造業雇用指数の悪化により、雇用の質というのが懸念されます。

特にここ最近は、米中貿易摩擦の激化により、中国だけでなく米国でも製造業のレイオフ(一時解雇)があったとされ、それが数字に表れています。

もっとも、米国ではミレニアル世代のライフスタイルの変化もあって、外食産業が顕著に伸びており、外食産業の就業者数は右肩上がりで製造業に肉薄、雇用自体は堅調さが保たれていると言えるでしょう。

しかしながら、一般に外食産業は製造業と比べて賃金が低いとされますから、製造業のレイオフも踏まえると、雇用そのものは伸びても賃金の停滞感は続く可能性が高そうです。

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